番頭の洋酒・ワイン薀蓄放浪記 -8ページ目
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スコッチウィスキー(モルト)②

本日は、スコッチモルトについて、記載します。


スコッチモルトウィスキーの産地は、いくつかに分けることができます。

 ・スペイサイド(Spyside)  蒸留所数 52

 ・ハイライド(Highland)    蒸留所数 43

 ・ローランド(Lowland)    蒸留所数 10

 ・キャンベルタウン(Cambeletown) 蒸留所数 3

 ・アイラ(Islay)    蒸留所数 10

 ・アイランド(Islands) 蒸留所数 7

※現在、稼動していない蒸留所も数に入っています。


・スペイサイド(Spyside)

 ハイランド東部のスペイ側流域に集中する蒸留所郡。その数は全蒸留所の

 半数近くになります。


 現在のモルトウィスキーの中心地ですが、元々は密造酒のメッカであり、

 農業を営みながら細々と作っていたのが、始まりだと言われています。

 それがこれだけ大きくなった理由としては

  ・スペイ川をはじめとするきれいな水、

  ・原料となる大麦が豊富(生産地)

  ・清涼な空気

 によって、非常に良質なウィスキーが作れたことによると思います。

 洗練されたエレガントさと磨きぬかれたピート香が特徴と言われています。

・ハイランド(Highland)

 スコットランド北部にある蒸留所郡。

 グラスゴー市西部のグリーノック(Greenock)とダンディー

 (Dundee)を結ぶ線から北をハイランドと呼んでいます。


 種類も多いことから一口でその特徴を語ることは難しいのですが、

 全体的には力強さの中でバランスを保った辛口でピート香も

 穏やかなものが多い。


・ローランド(Lowland)

 スコットランド南部にある蒸留所郡。

 かつては多くの蒸留所があったが、現在稼動中なのは3ヶ所のみ。

 希少品の多い地域。

 モルトの中では軽くライトな飲み口が特徴。


・キャンベルタウン(Canbeltown)

 ローランドの西、キンタイア半島の蒸留所郡。


 かつては30を超える蒸留所があったのですが、ウィスキーが

 売れなくなった時代に安さと大量生産の戦略をとった

 蒸留所が多く、キャンベルタウンのウィスキーは粗悪品といった

 レッテルを貼られたことやアメリカの禁酒と恐慌の影響によって

 ほとんどの蒸留所が閉鎖・倒産に追い込まれてしまった。


 しかしながら現在、3蒸留所しかないにも関わらず

 カテゴリーとして残っていると言うのは

 残った蒸留所の努力と実力が伺えますね。。。


 やはり海が近いということで、アイラほどではないが、

 ピーティーなクリーミーさや塩気が特徴です。


・アイラ(Islay)

 アイラ島にある蒸留所郡。すべての蒸留所が海辺に建っています。


 この小さな島に8つもの蒸留所があるのは驚きです。

 これは島全体に広がるピートの大地、良質な水、そしてウィスキー産業以外の

 産業がなかったことからだと考えられます。


 強烈な個性を持つモルトが多く、初心者が飲むと『なんだ、これ?』と

 思うようなものが多いのですが、その強烈な個性ゆえ、

 これに慣れてしまうと他のものでは満たされなくなると言った事が

 あるのだと思います。

 

 独特のヨード香(ほんとにヨードチンキの臭いがします。)とピートによる

 スモーキーフレーバー、そして樽を潮風にさらし、海の香りをつけてから

 使っていることから来るほのかな潮(海藻とも表現されたりする)の香りが

 特徴です。

 


・アイランド(Island)

 その名の通り島にある蒸留所郡の総称。ただし、アイラ島は除く。

 特徴は各島ごとに違う為、カテゴリーとしての味や香りの共通項はないです。


 スキャパやタリスカーといった個性的なウィスキーがここにカテゴリー

 されています。(下にアフリエイト貼っておきました。)


久しぶりにモルトウィスキーを振り返って見ましたが、

やはり奥が深いですね。。。。。

自分の知識の浅さが良くわかりました。

また、久しぶりにバーに行ってモルト紀行をしてみたいと思います。

ここのモルトについてまたレビューしたいと思いますので、

よろしくお願いします。


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スコッチについて①

今日は、5大ウィスキーの中のスコッチについて


皆さんもスコッチと言う言葉自体は聞いたことがあるかと思いますが、

それが何なのか?知らない方といるかと思いますので説明をしていきたいと思います。


スコッチとは、スコットランド地方で作られるウィスキーの総称です。

さらに大きく分けると

スコッチ

  ・モルトウィスキー

    モルト(大麦麦芽)だけを原料として作られたウィスキー。通常発酵後に

    ポットスチル(単式蒸留器)で2回蒸留し、樽で熟成させたウィスキー。

 

    スコッチモルトの特徴を決めるものとして、各地域のピート(泥炭)があります。

    大麦を浸水し、発芽させ、その発芽を止める為に乾燥をさせますが、その際に用いられるのが、

    このピート(泥炭)です。(ピートは、その土地の植物が堆積し、できた物です。)


    このピートの焚く量や時間によってもフレーバーに変化が出てきます。


    また、ポットスチルにもさまざまな形が存在し、それぞれの特徴がある為に、

    各蒸留所毎に味の特性が出てきます。


    その為、単一の蒸留所で作られたもののみで作られているモルトウィスキーの事を

    シングル・モルト(single malt)と呼びます。


    複数の蒸留所のものを混ぜて作られたモルトウィスキーは、バッテッド・モルト(vatted malt)と

    呼ばれます。

  

    このスコッチモルト・ウィスキーもさらにいくつかの地域に分けて分類することができますので、

    こちらに関しては、今後、記載していきたいと思います。


  ・グレーンウィスキー

   グレーン(grain)の名の通り、穀物(コーン、大麦、小麦等)から作られるウィスキーです。

   モルトウィスキーとは違い、連続式蒸留器を使い、大量生産することができます。

   ピート香はつけず、高濃度に蒸留しますので、風味はマイルドでソフトになります。

   このままでボトリングされて販売されているものもありますが、

   この後で記載しますブレンデッド・ウィスキーにされるものが多いです。




  ・ブレンデッド・ウィスキー

   さまざまな個性を持ったモルトウィスキーとグレーンウィスキーをブレンドをして、造るウィスキー。

   荒削りなモルトだけだと嗜好が大きく分かれてしまう為、それぞれのモルトの個性を融和し、 

   そこにライトでニュートラルなグレーンウィスキーを混ぜることによって、

   多くの人が飲みやすくなるようにブレンドをしています。

 

   ちなみに私の個人的なおススメはバランタインです。30年は絶品ですが、何せお値段が。。。。

   機会があったら、お試しください。

   

   ブレンデッド・ウィスキーのブレンドを決めているのが、各メーカーのマスターブレンダーです。

   じつはすごく奥の深い仕事で、各蒸留所からあがってくるウィスキーは同じ蒸留所のものでも

   樽ごとにアルコール度数や熟成の度合いが違う為、味がまちまちです。それらをうまくまとめて

   常に同じ味わいを再現しなくてはなりません。


   また、将来のウィスキー作りの為に現在から、仕入れを行わなくてはいけません。

   樽に入ったウィスキーが将来的にどう変化するのか?を推測すると共に

   どれくらいの量が必要になるのか?と言ったことまで考え無くてはならないと言う

   非常に高度な技術と知識、経験も必要な職業です。


   また、当然ながらその舌や嗅覚の鋭さは、常人には考えられないレベルだそうです。


   私が以前聞いた話で、バランタイン社の2代前のブレンダーでジャック・ガウディという方の

   逸話があります。(現在は5代目になり、ロバート・ヒックスさんになっているそうです。)


   ある日、いつもと同じように新酒のテースティングを行っていましたが、

   今日作られたものは、わずかだがゴム臭がすると言う事で、なんかおかしいと言う事で

   蒸留所でよく調べたところ、ポットスチルの中に輪ゴムが混入していたと言うことや

   今日は、わずかに花の香りがすると言うことで、蒸留所を調べてみると、特に変わったことが

   無かったのですが、そんな訳はないと言う事で、さらに水を調べていくと

   その水を取水している川の上流で花が咲いていた。何って事があったそうです。

 

   恐るべし、嗅覚。。。。

   

   こんな方が精魂こめて管理していると考えると改めてブレンデッド・ウィスキーってすごいと思えませんか? 

   

   それでは、また!!

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