番頭の洋酒・ワイン薀蓄放浪記
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チェリー・ブロッサム(Cherry blossom)

身内の不幸と仕事場が変わりバタバタしていた為、

久しぶりのアップです。


このところ暖かくなって来たと言う事で春らしいカクテルとして

『チェリー・ブロッサム(Cherry blossom)』を取り上げます。


 チェリー・ブロッサム(Cherry blossom)

   チェリー・ブランデー(cherry brandy) 30ml

   ブランデー(brandy)  30ml

   オレンジキュラソー(orange curacao) 1/2tsp

   レモンジュース(lemon juice) 1/2tsp

   グレナデン・シロップ(grenadine syrup) 1/2tsp

   シェークしてカクテルグラスに注ぐ。


このカクテルは、今から約80年前の横浜生まれで

世界的なカクテルブック『ザ・サボイ・カクテルブック』

に載るまでなったカクテルです。

サヴォイ・カクテルブック The Savoy Cocktail Book/ピーター ドレーリ
¥2,940
Amazon.co.jp


作者は、大正時代のかつての横浜の名門バー『パリ』のオーナー田尾多三郎氏が

創作し、カクテルの国際コンクールで入賞しました。


春らしく、チェリーとブランデーそしてほのかな酸味のマッチング。

しかしながら、色は桜色ではなく、深い赤です。


暖かくなってきましたし、皆さんも横浜に足をのばし、桜をみながら

チェリーブロッサムを味わってみては、いかがでしょうか?


参考までに材料のリンク貼っておきます。

ボルス チェリーブランデー
¥1,239
酒のやまいち


サントリーブランデー VSOP(スリムボトル) 660ml
¥1,990
中央酒販 株式会社


ボルス オレンジキュラソー 700ml
¥1,235
世界のお酒 ニューヨーク


明治屋 マイ グレナデン
¥698
酒のやまいち


スコッチとバーボンの違いについて(Scotch&Bourbon)

今回は、初心者の方の為に私なりのスコッチとバーボンの

違いについて簡単に説明したいと思います。


これまでに紹介してきましたように様々な部分で違いがありますが、
大きく差異がある部分(材料・熟成させる樽・熟成年数)について
比較したいと思います。


 1.原材料
   バーボン(bourabon): コーン51%以上80%未満
               その他副材料としてライ麦、小麦等

   スコッチ(scotch)
      モルト   : 大麦麦芽 100%
      グレーン   : 小麦、コーン、じゃがいも等々
      ブレンデッド : モルト & グレーンウィスキー
 
   バーボンはコーンが主原料、スコッチは、モルトとブレンデッドが   
   主力商品なので、モルト(大麦麦芽)が主原料だと考えられます。


 2.熟成させる樽
   バーボン(bourabon): 新品の内側を焦がしたホワイトオーク樽

   スコッチ(scotch): シェリーやポート、他のウィスキーの古樽


   バーボンは、新樽。スコッチは古樽と覚えるといいでしょう。
   このことが後ほどの熟成年数に関連してきます。


 3.熟成期間(スタンダード品)
   バーボン(bourabon): 4~6年
   スコッチ(scotch): 10~12年


   熟成年数も倍くらいスコッチの方が長いです。
   これは、バーボンは内側を焦がした新樽を使用する為、
   樽から染み出るエキス成分が非常に多く
   熟成が早いと言った事と気候的な面でも
   寒暖の差が大きく、樽自体が呼吸を良くするので
   さらに熟成の変化が進むのが早いといった面があります。


   一方、スコッチは古樽を使っていますので、樽から
   最初に出るエキス分が既に出てしまっているので
   熟成が進むのに時間がかかります。しかしながら
   新樽にはない古樽に浸み込んでいたお酒の成分が

   染み出してきます。その事によって味に深みが出てきます。
   
   これらの要素から味わいも
    バーボンは、荒々しく
    スコッチは、マイルド
   といったキャラクターになります。


スコッチも何の古樽を使うかによって仕上がりが、
全然変わってきます。


樽によっての熟成の変化を見るのに最適だと思う物として

グレンモーレンジ(Glenmorange)があります。


グレンモーレンジ(Glenmorange)には、10~12年目までは
バーボン樽で熟成させ、最後の2年をポートワイン、マデイラ、
シェリーの古樽で熟成させたものがあります。

それぞれ、ポート・フィニッシュ(port finish)、マデイラ・フィニッシュ
(madeira finish)、シェリー・フィニッシュ(sherry finish)といった
名前で販売されています。


グレンモーレンジ マディラウッド・フィニッシュ 12年 43度 700ml
¥4,480
世界のお酒 ニューヨーク


グレンモーレンジ シェリーウッド・フィニッシュ 43度 700ml
¥4,480
世界のお酒 ニューヨーク


グレンモーレンジ ポートウッド・フィニッシュ 43度 750ml
¥4,480
世界のお酒 ニューヨーク


是非、比較して見てもらうと樽の違いでこれだけ味や香りが変わるものなのか?と
驚くはずです。


私自身も飲んでみて、非常にびっくりしました。

可能であれば、3つを同時に飲み比べた方がいいと思いますので、
自宅で購入するよりもバーに行って、3つを注文した方が
いいかも知れません。


是非、お試しを!!

 

メーカーズ・マーク(Maker's Mark:bourbon)

今日は私が愛飲していたバーボン:メーカーズ・マーク(Maker's Mark)


メーカーズ・マーク・レッド・トップ 45度 750ml
¥2,100

昔は、バーで飲むと1ショット1,000~1,300円くらいしていたものが

今では、ボトルで2,000円台で買えるようになるとは思っていませんでしたが。。。。


私の好きなマイルドな口当たりの理由は、その原材料と工程にあります。

(ピリッとした感じのライ・ウィスキーも好きですが。。。)


バーボンと言えば、原材料はコーン51%以上80%未満でそこに

副材料のライ麦、大麦を使いますが、ライ麦ではなく、

冬小麦を使い、まろやかな風味にしています。

原材料の構成の違いが原酒の味の違いにつながっています。


もちろん使う水は、昔ながらのライムストーン水(石灰質の軽石層を通ってきた湧き水)

を使用。昨今の大量生産による蒸留所の巨大化に伴い、天然の湧き水で

足りず、水道水や川の水に切り替えているところが多いようです。


そして何よりも大きな違いは、ウィスキー作りがどんどん機械化される中、

昔ながらの道具を使い、効率よりも品質重視での生産が行われていることです。


穀物類の製粉過程で使う機械も効率の良いハンマー式製粉機でなく、

旧式のローラー式製粉機でゆっくりと時間をかけています。

ハンマー式は効率はいいのですが、原料が焦げやすく、

味の劣化の危険性が高い為、手間がかかっても旧式の

ローラー式を採用しています。


また、第一段階のマッシング(mashing):すなわちモロミ作りにおいても

他の蒸留所では、早く煮沸ができる圧力釜を採用していますが

こちらもハンマー製粉機同様、香りを損ねる焦げ付きを起こす可能性が

ある為採用していません。

メーカーズ・マークでは、ふたのない釜で焦げ付かないように

じっくりと時間をかけてマッシングを行っています。


原酒作りにおいても、通常アルコール度数 70~75度まで蒸留を

行うのですが、メーカーズ・マークでは65度に押さえ、

原材料の風味を多く残しています。

こうする為にも、先程までに出てきたように原材料を劣化させることが

ないように細心の注意を払って加工を行っているのです。


最後の樽熟成の段階においても、樽の置いてある位置によって

温度や湿度が微妙に違う為、樽熟のスピードが異なってきます。

均質なものを作る為には熟成度合いをあわせていく必要がありますので、

樽のローテーションを行います。


この作業を行う際にも一樽一樽テイスティングを行い、確認をしています。

頻繁に確認作業を行うことができるように樽の栓も

他蒸留所が使っているポプラではなく、硬くて膨張しにくいクルミを

採用しています。


そして、最後の品質を決めるボトリングの前に8人(内女性が6名)の

テイスターが熟成度合いを確認し、品質の維持をしています。


また、メーカーズ・マークの特徴的なルックスを決める

ワックスによる風蝋はすべて手作業です。

この作業をする女性の利き腕の違いや癖によって仕上がりが

一本一本替わってきます。

手作業で時間をかける為、同時に人の目をつかい一本一本最終検品も

できるメリットもあります。


そんなこんなで、かなり手間暇をかけていますので、

さっきの価格は個人的には安いと思います。


また、最近ビジター・アトラクション・オブ・ザ・イヤー2008をとった事も

あり、品薄になりつつあるようですので、試したい方は価格が上がる前に

購入することをおススメします。


なんか、セールスみたいになってしまいましたが

バーボンを語る上で絶対に飲んでみておいた方がいいと思う一本なので。。。


そうそう、昔はゴールドトップと言う一ランク上の金のワックスで封蝋したものが

ありましたが、現在は終売してしまっています。

その代わりかどうか?は分かりませんが、VIPと言うものが出ていますので、

興味のある方は、どうぞ。


メーカーズ マーク VIP 750ml 45度
¥8,379
お酒の大型専門店 河内屋

メーカーズ・マークを飲んだシーンで思い出すのは、

ニューヨークのホテル(確かシェラトンだったと思う)でこれオン・ザ・ロックを

頼んだときの事。


そこの黒人バーテンダーが、日本の2回りも大きいロックグラスに
キューブアイスを2個しか入れずに、グラスにすりきりまで

注がれたことです。たぶん容量にして250mlくらい。

当時私が働いていたバーで、1ショット(30ml)で1,100円。でもそこでは

7ドル(当時のレートで700円)で、その安さと量に非常に衝撃をうけました。


ちょっと日本人に対する挑戦かと思い、

一気に飲み干してやりました。ちょっと向こうはビビッていましたが。。。。


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