こんにちは。梓みきおです。今回は「自律20m走」を紹介します。

 先日「自律ビーチフラッグ」を紹介しましたが、こちらも「自律」競技です。ただ、今回は「20m」という、ロボットにとって結構な長距離走になります。

 コースは5mのコースにパイロンを2つ立てて、5分以内に2周するもの。コースの中には他の目印を置くことはできません。ロボットはパイロンから出ている超音波や、パイロンの赤色、コースの外に自分が設置した目印などを使って自分の位置を見つけます。



 この競技の難しいポイントは、ロボットが間違ったものを目印にしないようにプログラムを調整すること。

 観客の方が着ていた赤いジャケットを見間違える、なんてことはよくある話なんですが、1度なんかは、会場の隅っこにあった「消火器」をパイロンだと思って突進してしまったロボットもいました。円筒形で赤いモノ。人間でも目の悪い人だったら間違えるかも!?
ロボット君を責める気持ちにはなりませんね(汗)。

 なので、最初の5mをちゃんと折り返すだけでも拍手喝采モノなのです。コースをたどって走ることが、ロボットにとってはこんなにも難しいんだってことに気づかされます。



 さて、自律競技はロボットが走っている間、誰も手出しができません。仕組みを知っている制作者はロボットの一挙手一投足にドキドキできますが、観客から見れば、ロボットがてくてく走っているだけ。どうやってコースを見つけているのかなど、中身の話は見えません。

 そこで、自律20m走の競技中は、制作者の方にマイクを渡して、「どんな仕組みで動いているのか」「ロボットは今どういう状態なのか」を話し続けていただくことになっています。これにはロボットゆうえんち代表・岡本の「エンジニアも自分の作ったものをちゃんとアピールできないとダメ!」という思いも入っていまして、どんなに喋るのが苦手そうな方にもお願いしています。この競技の参加者には学生さんが多いんですが、確かに、アピールは社会人になっても重要ですからね!
練習と思ってたくさんアピールしていただければと思います。

 競技はいちばん速かったロボットが優勝で、誰もゴールできなければ、スタートからの距離が遠い方が優勝となります。1機ずつチャレンジするので、ロボットは自分の能力を発揮しやすい競技ですね。1日に最大3回走ったうちのベストタイムが成績になるので、タイムを縮めるためにギリギリまで内回りにするのか、安全にゆっくりと大回りにするのか、それを何本目に持ってくるのか……といった作戦が、競技の楽しみ方に加わってきます。

 自律20m走は、11月25日・26日の両方、それぞれ多脚クラスと二足歩行ロボットクラスが開催されます。無線で操縦するロボットも楽しいのですが、「自律」ロボットはまた別の楽しみ方があるので、こちらもぜひ楽しみにしてください。アミューあつぎでお待ちしています!

ロボット・アスリートCUPホームページ
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