慶応義塾大学キャンパスプロレスに出してもらいました。


 後輩の軍団ひとり
今月9日に引退する澤宗紀選手と面白そうなことやるって言うんで、
ダメ元で手を上げたら

急遽出して頂けることになったんですよ。

僕は学生でなく、プロレスラーでも芸人でも無い半端者ですが、
それでも出て良いって言ってくれた主催の潮吹豪君に大変感謝です。





「パフォーマンスアートの一環で、プロレスラー達による身体芸術」と言うコンセプトで

潮吹君のゼミが開催した今回のキャンパスプロレス。


慶応大学の敷地全体がリングで、当然下は石畳
受身とって大丈夫な場所なんてどこにも無いです。
ついでに言えば味方も無しのプロアマ混在バトルロイヤル

始めてづくしでしたが、


いやぁ、

なんか、何も出来なかったですね、





 前日にいろいろ準備をしたんです。

映画とかのアクションスタントやってる団体http://att.fool.jp/ の練習に行って、
マットでない、ハードフロア上での身の守り方とか、
パルクール(http://www.youtube.com/watch?v=lkUWGeye9sA )の練習とかしてきたんですよ。


武器も買いました。
今や製造中止になっている、かんしゃく玉も

玩具屋駄菓子屋10件以上回ってやっと2袋手に入れました。


「パフォーマンスアート」こと「テロまがい」をする準備を整えてきたつもりなんですけど、






でもなんか、
路上プロレスってそういうもんじゃ無いんですね。




やろうと準備してタイミングを待つよりも、

その場の機微。
大喜利のような瞬発力というのか、野生の勘というのか
もちろん経験もあるんでしょうけど 、


目に入って、ピーンと来た物に、自分から襲い掛かっていった

会場の下見もしてない澤選手が 、

完全にゲームを支配していました。


間を測るとかじゃないんですね。

矢つぎばやに

「やりすぎ」し続けていました。


普通、大学に納品に来てる業者のトラック襲おうなんて思わないですよ。

防犯カメラ完備のATMに上裸で乱闘しながら入ろうと思わないですよ。


お客さんも澤選手が次に何しでかすのか
目が離せなくなってました。


もう、


先導者で、カリスマでした。




西館構内。
メガネ無しで仰ぎ見た僕の視界に映った澤選手。


踊り場の窓からの光を浴びて

右腕を高々と上げる澤選手が


大衆を率いるジャンヌダルクに見えました。




クリュウのブログ


ジャンヌはメチャメチャいい顔で笑ってて、
右手にはフランス国旗じゃなくてゴミ箱が握られてて、
僕は三秒前に、

完全に不意を突かれて、横からこれでぶん殴られて

廊下に寝転がって見上げてるんですけど

クリュウのブログ

(左隅でぶっ倒れているのが僕です。 写真:ナムさん)


猛ダッシュのゴミ箱をど頭にもらって

朦朧としていたこともあって

とても神々しい姿が目に焼きつきました。


忘れられない視界になりましたね。





 身体のリスクが通常のリングに比べ桁違いに高い路上プロレス
初体験でしたが、


なんというか、
あの普通な空間でどつき合うと
脳から変な汁がダクダク沸いてきます。


くにお君のゲームに入ったようでした。
ファイナルファイトの気分でした。

実に、楽しゅうございました。


そして、
こんなにも楽しい空間で
棒立ちになったり、
走り回って考えて、結局なにも動けてなかったことが悔しいです。


まだ、やりすぎてないです。


もっとやりたいです。


やっちまえばよかったんだ。待ってないで、




ですが、これは今回限り
またあったとしても、今回のものとは違います。

澤選手は引退しますし、軍団ひとりも就活してます。
僕も来年はこんなに試合できるかわからないです。


今後出る試合全てで


もっと貪欲に試合を楽しもうと思いました。

腹から思いました。


大変にいい勉強をさせて頂きました。





開催してくださった潮吹君ならびにゼミの皆様

ツイッターで煽ってくれた軍団ひとり始め、戦って頂いた選手の皆様

見に来ていただいたプロレス慣れしたお客様も、通りすがりのお客様も


どれ一つ欠けてもこうはならなかったと思います。




全て全てに
厚く御礼申し上げます。




クリュウのブログ


 参加させてもらって本当に良かったです。

 ありがとうございました。
























駄々らに長くて申し訳ありませんが

目撃者として、最後に一つ








興行後の話です。


控え室である駐車場の隅に
主催である、潮吹君のゼミの岡原教授
選手スタッフをねぎらいに来ました。

只者じゃない雰囲気をまとった男性でした。


「お疲れ様です」


涼しい顔で声をかけて回って、
教授は用事があるのかすぐ立ち去ろうとしましたが
それを追いかけて潮吹君が


「まずかったですかね?」、と小さな声で聞きました。


そりゃあそうだと思います。
まず前代未聞の企画で、
当初の予想以上に、

盛り上がったというか騒ぎになった出し物の中心に立ってしまった20才の若者に

学校からどんな判決が下るのか。

さすがの彼も顔が青ざめていました。


僕らもどう声をかけたものか解らなかったです。



そんな豪君に
教授は顔だけ振り返りながら



「なぁに言ってんだよお前…
               命懸けろよ!」




と、


一言


その喝のこもった一言だけ放って、


ニヤリと笑うと



再び前を向き
中庭の方に歩いていかれました。




その背中に
「泰然自若」と書いてあるようでした。


思わず最敬礼で見送りたくなるような
雄大な背中でした。







すぐ後ろで
僕と軍団ひとりでこのやり取りを聞いてて

もう、

メチャクチャ痺れました。

すぐ会場に戻って
良い話風にちょいと盛って、

知り合いに拡散しましたけども、




でも、これ

よく考えたら


別に「大丈夫」って言ってる訳じゃないですよね。


「どうなるかわかんねえけどオロオロすんな」ってニュアンスですよね。




潮吹君はホントのホントに大丈夫なんでしょうか?



次は

退学記念NO-DQキャンパスプロレスなんでしょうか? 




















ああ、


気まずいですけどちょっと出たいですね。