今でも、拭いきれない心の傷を背負って、私は生きている。

人生が始まって最初の記憶が3歳の頃。

この時の私は火がついたように泣き叫んでいる。



父は家にいる事が多く、その時間の殆どを読書に費やしていた。

そして私たち家族を監視した。


ある日、父の本に落書きをしてしまった。

幼い頃なら誰もが経験のあるような事だと思う。

それに気付いた父は私を押し倒し、顔面を殴打しまくった。



恐怖と息苦しさで、顔が真っ赤になるのがわかった。

父は大声で怒鳴りながら、私をたたきつける。

3歳の私には、殴られている意味さえわからなかった。

母と兄は助けてはくれなかった。

自分たちに矛先が向くのを恐れたからだ。



毎日毎日が地獄だった。。いつ、どんな事で暴力を振るわれるかわからない

生活。

常に緊張していた。父は私たちに明るくいい子でいる事を望んだ。



明るくなんていれるわけがない。。だから、父の前では笑顔でいい子を

演じる必要があった。



お味噌汁をこぼした、飲み物をこぼした、そんな事が父を異常に

怒らせた。



ある日、父の本棚に自分の絵本を数冊並べた。

部屋がなかった私は、よその子のように、自分の本やぬいぐるみ

人形なんかを並べてみたかった。

それが父を逆上させた。その時、私は殺されるのではないかと思うくらい

の恐怖を味わった。



畳の上に押し倒され、着ていた真っ赤な大きなりんごが真ん中にある

黄色のセーターの首を持ち上げ、何度も何度も殴打された。

「何でこんな事をされるんだろう。。。」

そう頭の中でぼんやり考えていた。


恐怖で痛みはなく、意識が薄らいできた頃には、セーターが

伸びきっていた。


顔は酷く腫れ上がっていた。母は近くでただ、泣いていた。。。

「どうして助けてくれないの?」と思ったが、もうすでに

この頃には諦めのような気持ちがあった。


今考えると小学校に入る前には、私は既にうつ病だったのです。