雨が降って、ももの毛皮はますます、ぞわぞわしています。
気分はブルー
ちょっと、あんにゅいなももです。
りおんは昨日、絵画教室で子供たちに長さと時間の目盛りのついた物差しを作ってもらったそうです。
薄いウレタン素材の板に、1センチ刻みに目盛りを書いて、長さの物差し。
ももは、1歳と7ケ月なので、1センチの目盛りと2センチの目盛りの間に似顔絵を描けばよいのかな?
大人になると、豹になります。お婆さんになると、ライオンになる予定です。
さて、りおんが、春ちゃんにこのあいだのツバメの話の続きをしていました。
赤ちゃんがいなくなってしまったツバメの夫婦は、とっても悲しそうでした。
それを近くの桑の木が見ていたそうです。
桑の木は、ツバメの巣があった自動車店の前の道に、生えていました。
桑の木は、とても太い幹で、葉っぱがいっぱい茂っていて、風が吹くと、さやさやと優しい音をたてました。
「こっちへいらっしゃい、ツバメさん。私の枝で休んで、悲しみをしまいなさい」桑の木は優しく言ったそうです。
ツバメの夫婦は桑の木の枝にとまり、さやさやと葉っぱの揺れる音を聞きながら、その日、一日を過ごしました。
ところが、りおんが次の日の朝、その道をとおりかかると、今度は桑の木が、ばっさりと切られてしまっていました。
さやさや揺れる葉っぱは、無くなってしまいました。
ツバメの夫婦が悲しみをしまった葉っぱでした。
たぶん、道を通る人たちの邪魔になったから、切られてしまったのだろうと、りおんが言っていました。
毎日、あの道を通るたくさんの人の中に、桑の木が切られたことに気がついた人はいたでしょうか?
そこに何年も年々も桑の木があったことすら、誰も気がつかなかったでしょう。
でも、あのツバメの夫婦だけは、桑の木が、そこにあったことを憶えています。「ツバメの夫婦が、あの桑の木の優しさを憶えていてくれれば、きっとまた、来年の春には、どこかで、さやさや揺れる葉っぱの音が聞こえるかもしれないね」とりおんが言っていました。
もし、その桑の木がまた生えてきたら、ももは、必ずや、その幹で爪を研いで、猫パンチ一刀流の修行をしようと思っています。
ももは性格がとっても悪いアメショです。
よろしくお願いします。