- 流転/新津 きよみ
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女は何度生まれ変われるか
犯罪者の心の奥底に潜む狂気と
自由な生への執念を鬼気迫る筆致で鮮烈に描く!
著者会心の書き下ろし長編ミステリー!!
力作700枚!
――夏の暑い日、女子大生の鈴木かおるは、
アパートの隣室に無断で入り込んでいた女を殺してしまった。
かおるは遺体を処分、完全犯罪を心に誓う。
一方、同じく夏の暑い日、サイコ・セラピストの須山久美子は、
「わたし、人を殺してしまったんです」という若い女性からの電話を受けた。
後日、久美子を指名して、大学生のクライアント、小柳陶子がやって来た。
陶子は、「兄を轢き殺した男への殺意が抑えきれない」と言う。
久美子のまわりで、暑い夏は次第に複雑な様相を帯びていく。
謎めいたクライアント、無言電話、
女子大生の自殺、女性のバラバラ死体……。
七本の糸が一本に結び合わされるとき、驚愕のドラマが始まる。
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★☆☆
やっぱり今回もまた後半に失速していくというかラストがどうも、というか。
私の中に「新津作品=そういうもの」という先入観があるというのも確かで
それが素直に楽しむことを邪魔しているのか、とも思うんだけど。
私好みの色や柄の風呂敷を、とても気になる形に広げて、
最後に畳み損ねる感じとでもいうか。
「畳み損ねる」は少々言いすぎかもしれないけど、
少なくとも期待したのとは違う、イマイチ好きになれない形に畳まれてしまう。
最後まで読みはする。
久美子の周りで起こる奇妙だったり不気味だったりする、
色んな出来事の結末・展開が気になるので。
その色んな出来事の原因、
久美子がそこまで追い詰められるきっかけあたりは
途中で想像できてしまうので、
本当にただどう畳むのかが気になって。
だから余計にその畳み方が残念に思えてしまうんだろうけど。