- ST 沖ノ島伝説殺人ファイル 警視庁科学特捜班 (講談社ノベルス)/今野 敏
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玄界灘の沖ノ島で港湾工事中に、水死体が見つかった。
事故か、事件か?
許可なく入ることができない『神の島』には、古代からの因習が残り、
島で見聞きしたことを外で話してはいけない“御言わず様”の掟があった。
祟りを恐れ、口を閉ざす関係者たち。
難航する捜査。
そして警察OBからの圧力。
福岡に飛んだSTが、伝説に迫る!
――――― 裏表紙より
個人的評価 : ★★★☆☆
何よりも「伝説」が大切にされるというのは今もない話じゃないのかな。
いくらなんでも殺人事件が起こったのに警察を拒んだり、
なんてことが赦されるとまでは思わないけど、
地元の人の生活に深く深く入り込んだ因習というのは。
私が今住んでいるのは(不便な田舎ではあるけど)
比較的新しい町だということもあってか
「伝説」だとか「古代からの因習」だとか言われても
他人事というか、遠い話でしかないんだけど。
ページ数が少ないこともあってか、あっさり。
「伝説」に関しても、「警察OBからの圧力」に関しても。
ついでにSTを福岡に呼んだ水死体の真相に関しても。
STの面々は相変わらずで。
一匹狼を気取るのにまるで思惑通りに行かない赤城も、
周囲の反応なんてものをまるで考えていないような青山も、
仕事には慎重で真っ当なのに空港で騒いじゃう翠も、
福岡に飛べと言われてから片がつくまでほぼ台詞なしの黒崎も、
常に穏やかで気配りの人、ST唯一の常識人に思える山吹も。
(正確にはSTメンバーではないけれど)
仕事に燃えるあまり喧嘩腰になっちゃったりするし菊川も。
百合根キャップは今回印象薄かったような……。
その主張のなさが百合根らしさだと言われれば
それで納得してしまいそうにもなるけど。
そんな面々の相変わらずのやり取りに
思わずクスッとしたりニンマリしたり。