- 毒のある街 K・S・P〈2〉/香納 諒一
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警察小説の最前線!
俺たちは人として悩み、刑事として生きる
バブル崩壊から18年、再び蠢き出した新宿土地利権の闇――
プロとしての誇りと信念が、
特捜部刑事たちを危険な街へと駆り立てる!
K・S・P特捜部の沖幹次郎は突然の人事でチーフをはずされた。
新チーフはキャリア警部の村井貴理子。
怒りを抑えきれない沖だが、その矢先、射殺事件が起きた。
標的は神竜会のヤクザ二人。
新宿進出を目論む関西系暴力団・共和会傘下の
鳴海興業による犯行だった。
さらには首領を失い凶暴化するチャイニーズマフィア・五虎会も、
新宿再開発を巡って暗躍を始め……。
警察の縦割り組織と序列に苦しめられ、
愛する者を危険にさらしながらもなお、
敢然と凶悪犯罪組織に立ち向かう刑事たちの姿を描く、
これぞ警察小説の最前線!
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★☆☆
多少4つ寄り。
お友達の家に遊びに行ったり、体調がうんと悪い日があったせいで
長いこと持っていたけど、
前作の『孤独なき地』より随分と読みやすかったかな。
何より気になるのはあの意味深な終わり方。
気になることが盛りだくさんで。
五虎会の朱の不気味さ、気持ち悪さ。
前作でボスをみすみす殺された為に自らに罰を下したそのやり方も、
今回爆弾魔の女を利用した挙句のあの言い草も、
沖との闘いの行く末も。
警察内部の人間関係にしても、先が気になる相手がたくさん。
カシワとは、やり方や考え方が違うせいでぶつかったりもするんだけど、
お互い嫌いながらもプロ同士として通じる部分はあったり。
村井との間にも、信頼関係が築かれ始めたり、
それとは少し違う感情が芽生え始めたりと。
自分の中のそんな感情に気づいてしまったあの沖が
これからどう接していくのか、少し楽しみだったりもする。
そして何より今回「愛する者」を奪われてしまったあの人。
最後に沖に言い残したあの言葉がどうにも意味深で。
新宿の街の勢力争いにしても、
逮捕者やら死者やらが随分とたくさん出て、
これからどう変わるのか、
それともあれくらいでは大きな変化は生まれないのか。
あれもこれもが気になる以上、
このシリーズはイマイチ好きなポイントがない、
なんて思いながらも次も読まなきゃ仕方ない。