- 翼のある依頼人/柄刀 一
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眠り病の若奥さんと、幼い息子。
頼りなさそうに見えるけど、彼女には、
たぐいまれな推理力と、心強い仲間があるのです。
不可思議な謎が解明されたとき、
悪い夢も皮肉な運命も、きっと乗り越えられるから。
読後感保証、癒しの本格ミステリ傑作集!
松坂慶子は、睡眠発作の持病を持つ、若奥さん。
結婚によって、あの美人女優と同姓同名になりました。
困難な病と、幼い息子(その名も大輔!)を抱える彼女が、
年齢も国籍もさまざまな、頼れる仲間たちとともに挑む難事件とは!?
仲間はみんな、シャーロッキアンで、美女で、頭脳明晰。
慶子さんが特別なのは、名字だけじゃないんです。
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
3つと悩んで4つ。
『マスグレイヴ館の島』、読んだよな……。
そのタイトルに覚えはあるし、
読書メーターで確認しても「読んだ」に登録してある。
なので読んだのは間違いない。
ただ、どうにも記憶が……。
『マスグレイヴ館の島』のシリーズだと知って、記憶の中を探ったんだけど
どんな事件が起こったか、その真相は、という内容どころか
慶子さんたちキャラクターにすら出会えず……。
出会えなかったせいで今回まるで楽しめなかった、ということはない。
ないけど、ちゃんと覚えていればもっとすんなり楽しめたのか?とも思う。
最初の2編はサラリと面白かった。
描かれてるのはどちらも「サラリ」とは程遠いものだけど。
慶子さんの雰囲気やそのお仲間たちのやり取りなんかのおかげで。
次の中編は少々手こずった。
シャーロッキアンという設定の存在感が増す弓弦家の状況なんかが
少々とっつきにくかったのと、
家の中(部屋)の位置関係が繰り返し出てくることへの苦手意識と
そこで起こる事件の真相(動機)がしんどかったのとで。
これを読んだ印象では(
なんたって『マスグレイヴ』をほとんど覚えていないので)、
「慶子さんとお仲間探偵団」シリーズも嫌いではないし
次が出れば読むのもまず間違いないだろうけど、
個人的な好みとしてはこのシリーズよりも「天地龍之介」派かな。