『トリップスター』 新野剛志 | 鈴と空のブログ

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たまに真面目なことをかいたりもするかも。

中野トリップスター/新野 剛志
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忘れるなよ。
俺たちは義理人情暴力がすべてのやくざなんだ。
けどなあ、誠、この会社、なんかおかしくねえか――

韓国スリ団のアテンドに、一泊二日スラップスティック温泉ツアー、
失われた「秘宝」奪還作戦、「心霊写真」の持ち主探し――
忙しすぎじゃないっすか、山根さん。
でも、働くって案外楽しいかもっすね!
爆笑と感涙、そして驚愕。
ポップでシリアス、大胆不敵な豪腕炸裂!


曲者だらけの客に堅気の部下、
こいつら、俺らより、わがままじゃねえっすか?

――――― 帯より


個人的評価 : ★★★☆☆


どうにも私の好みではなかった。


ヤクザなんだけど冷酷・冷徹になりきれない山根や
ちょっと抜けてるけど(おまけにヤクザなんて道に進んでしまったけど)
どこか真直ぐで憎めない誠のキャラクターは好きだった。


けど、他にこれと言って惹かれるポイントが無く。


他に好きになれそうな予感を抱いた人たちもいるにはいて
思い出したように登場したりもするんだけど、
結局それほど印象に残るまでは行かず。


トリップスターの他の面々は何だか嫌な感じで。

社長は、愛すべきおバカさんだとか、何故か憎めないろくでなしだとか、
そういうわけでもなく、
逆にとことんまで最低なヒールというわけでもなく
どうにも中途半端でただダメな奴だとしか思えないし。
その妻も好きになれるポイントは少しも見つからないし。


詳しく言うとネタばれになりそうなので言わないけど、
他の社員たちもな……。


山根の妹も過去に荒れてたという設定があったり
時折電話で意味深なことを言ったりする割に
「あれっきり?」なんて思ってしまうし。
その娘(姪)たちにしても、ナナちゃんにしても。


それで良しとするくらい話に引き込まれることもないままで。
ところどころに挟まれる回想シーンの意味や真相、
その色々が一つに繋がる直接対決のシーンも、
光景を想像するととても印象的ではあるんだけど、
すっきりしないと言うかなんと言うか……。


とにかく、私の好みではなかったということだ。