- 介護退職/楡周平
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“その時”あなたは、生活を、家族を、絆を守れますか?
故郷で暮らす老母が雪かき中に骨折した――
突然介護を託された男の人生に、光は射すのか?
今そこにある危機を、真正面から見据えた問題作
絶望のどん底を抜け出した先に見えるもの、
それが希望であることを願う――
「この苦難は、いつ誰の身に降りかかってもおかしくないことです。
特に私のような年代になれば、
むしろ起こりうることとして考えておかねばならなかったのです。
あえてそれに目を瞑り、最悪の事態への備えを怠ってきた。
仕事を行う上では、あらゆるリスクを想定し、万
全の方策を講じることを常に念頭に置いていたのに、
最も身近な家庭内のリスクに注意を払わなかった。
それは誰の責任でもありません。
私の責任です――」
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★☆☆
どうにも上(表面)の方をサラサラ流れていっちゃった感じ。
「危機」は確かに誰の身に起こっても不思議ではないもので
私にだっていずれは訪れるものかもしれないとは思う。
だけど、今回これを読んでその点を考えさせられたりだとか
その「危機」が改めて不安や恐怖の種になるということはなく。
それに立ち向かう家族の姿に感動するわけでもないし。
介護する側、される側両方のストレスだとか、
お金の問題、時間的な苦労などなど降りかかる問題に
家族がどう対処するか、家族間で何を話してどう考えるか。
ぶつかったり乗り越えたりと色々書かれてるんだけど、
どれもこれもイマイチグッとこなくて。
家族にとって確かにとって「危機」ではあるんだけど、
色々な点でとてもとてもラッキーなケースだと思う。
母親、夫婦、息子、弟一家の人柄や性格もだし、
介護は必要だとはいえ、母親の状態や
「私」の仕事、経済状況にしてもだし、
関わる周囲の人たち、環境にしてもだし。
少なくとも私たち(両親や私自身や妹)はこんなに恵まれてなかったよな……、
なんて思っちゃって。
ただ、最後はあれで良かった気がする。
さすがに都合良すぎやしないかとも思うんだけど、
希望の見えるあの終わり方は。