- 沈黙の檻/堂場 瞬一
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迷宮入りした17年前の殺人事件の犯人だと名指しされた
運送会社社長・末松。
なぜか犯行を否定せず、マスコミに「ノーコメント」と繰り返すのみ。
その末松の命が狙われた。
警護を命じられた所轄署の刑事・氷室は、
彼の人間的魅力に惹かれ始める。
一方、かつての事件で実父を殺された青年タケは、
親父と慕う末松の無実を信じていた。
そして新たな殺人が…。
哀切なる警察小説、堂場瞬一の新境地。書き下ろし長篇ミステリー。
――――― 「BOOK」データベースより
個人的評価 : ★★★☆☆
17年前の事件の真相だとかノーコメントを貫く理由、そういうことか。
氷室が「惹かれ」、誰もが口を揃えて称える末松という人が
自分を慕う青年がどうしようもなく苦しんでいるのを承知の上で、
それでもノーコメントを貫くとなれば、
理由はきっと……、と想像しながら読んだんだけど。
その想像は外れだった。
正直なところ、その真相は微妙な感じも。
確かに言いたいことも解らないではないけど、うーん……、という感じだろうか。
事件以降の末松の人生、生き方がああだけに、余計に複雑。
あの人たちは沈黙の檻に囚われたんじゃなくて、自ら檻に飛び込んだのか。
その結末もまた複雑。
それが正義かと言われると素直に頷きかねる。
だからと言って、逆に全てを白日の下にさらすのが正義かとなるとそれもまた。
でもなぁ……、と。