- 魔女は甦る/中山 七里
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埼玉県の長閑な田園地帯で、
肉片と骨の屑のようなバラバラ死体が発見された。
被害者は現場近くにある
製薬会社・スタンバーグ製薬に勤めていた桐生隆。
仕事ぶりも勤勉で質素な暮らしを送っていた青年は、
なぜ殺されなければならなかったのか?
埼玉県警捜査一課・槇畑啓介は捜査を続ける過程で、
桐生が開発研究に携わっていた“ヒート”と呼ばれる薬物の存在を知る。
それは数ヶ月前、
少年達が次々に凶悪事件を起こす原因となった麻薬だった。
事件の真相に迫るほど、
押し隠してきた槇畑の心の傷がえぐり出されていく。
過去の忌まわしい記憶を克服し、
槇畑は桐生を葬った犯人に辿り着けるのか!?
「僕は魔女の末裔です」
過去の事件で使命感と情熱を失った刑事。
突然、最愛の恋人を失った美貌の女子大生。
残忍な犯人を追いながら、二人は信念と愛を取り戻そうとする。
若き製薬会社員は、謎めいた言葉を遺しバラバラ死体になった。
「このミス」大賞作家が贈る、
恐怖と驚愕に満ちたラストへ突き進む傑作ミステリ!
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★☆☆
『さよならドビュッシー』『おやすみラフマニノフ』とはまた随分印象が違うんだな。
そして私は先に読んだそちらの2作の方が好きだった。
これを「面白くない」とまで言ってしまうと少々言いすぎかとも思うんだけど、
「面白い、好き」よりもとにかく「厭、気持ち悪い」が盛りだくさんで。
ついでに「傑作ミステリ!」はちょっと言いすぎでは?なんて。
槇畑が追う事件の真相は想像もしたくない光景だし、
そんな事態になった原因も気分の悪い話。
その根っこにある過去の出来事にしても、
「どいつもこいつも……」と言いたくなるくらい酷い話。
今の事件がこれからもたらす影響にしても、
2人が命からがら見つけたデータが有効に使われるにしても、
今の社会、それだけですべてが上手く片付くとは思えない、
と言うのは悲観的過ぎるだろうか。
とにかく何だかぐったりしてしまった感じ。