『白き失踪者』 末浦広海 | 鈴と空のブログ

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読んだ本の紹介を簡単に。
あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

白き失踪者/末浦 広海
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江戸川乱歩賞作家が書き下ろす、
受賞第二作目にして第一級のハードボイルド・ミステリ!
謎の女を、愛しぬけ。

銃創が引き寄せた人々の運命は数奇にも激しく絡み合い、
闇社会の渦へと呑み込まれていく。
正義か。愛か。
迫られる、究極の選択。

刑事・瀧野は中国人マフィアに銃撃され、入院していた。
退院後、瀧野は入院中に知り合った看護師・芳理に結婚を申し込むが、
心を通わせたはずの芳理は、返答をせぬまま姿を消してしまう。
同じ頃、革のツナギを着た謎の男女が
日本人暴力団と中国人マフィアの覚醒剤取引現場を襲撃した。
以前瀧野を襲った中国人は射殺され、
野獣のような暴力団幹部・秋元が一人生き残った。
謎が謎を呼び、巨大な闇が蠢く中、
意を決した瀧野は一人バイクを駆った――。
愛ゆえに苦しみ、愛ゆえに偽わる。
真相を追い続けた瀧野を待つのは、悲嘆の真実。
戦慄の結末!

――――― 帯より


個人的評価 : ★★★☆☆


そうか、そこでそう終わるか……。
あの状況では結末は想像できる通りでいいんだろうけど、
そうなると悲劇的な終わり方だよな。


感想を書こうと思ったときに、好印象な言葉が浮かんでこない。


事件の黒幕の正体とその人のもう一つの顔もさほど意外でもないし、
「野獣のような」暴力団幹部も思ったより随分呆気ないし、
暴力団もマフィアもあくどいことを平気でやってのける割に

何だか物分りがいいし。


芳理が姿を消すきっかけになったある事情についても、
問題の大きさのわりに存在感が軽いというか……。


何より、一番中心であったはずの「正義か、愛か」の葛藤。
それもそんなに感じられなかったような……。
瀧野はもちろんのこと、
色々と手を貸してくれた医師にしても。