『オー!ファーザー』 伊坂幸太郎 | 鈴と空のブログ

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オー!ファーザー/伊坂 幸太郎
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みんな、俺の話を聞いたら尊敬したくなるよ。
我が家は、六人家族で大変なんだ。
そんなのは珍しくない?
いや、そうじゃないんだ、母一人、子一人なのはいいとして、
父親が四人もいるんだよ。
しかも、みんなどこか変わっていて。
俺は普通の高校生で、ごく普通に生活していたいだけなのに、
そして、今回、変な事件に巻き込まれて――。

連載終了から三年。
伊坂幸太郎・第一期の最後を飾る長編

(詳しくは「あとがき」参照」)が遂に登場!
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★★☆


面白かったな。


一緒に暮らす四人の父親がいて、
それぞれが自分こそが父親だと張り合っているというんだから
もっとギスギスしていたりするのかと思ってしまった。


そのギスギスした空気と

伊坂さん(伊坂作品)のイメージがなかなか合致しなかった。

のが、呼んで納得の、「ギスギス」とは程遠い四人。
少々脱力感を感じるくらいの不思議な関係の四人。


でも、それぞれ素敵な四人だ。
とてもとても面倒くさそうなので由紀夫の立場にはなりたくはないけど。


「尊敬したくなる」環境ながらちゃんと真直ぐ育った由紀夫も、
そんなややこしい関係ながら仲良く四人一緒に生活している父親たちも、
それを受け入れさせるだけの魅力に満ちた母親も、みんな只者じゃない。


やっぱり伊坂さんの描く変わり者が好きだと今回もまた思う。
今回も変わり者だらけだ。
家族六人もだし、由紀夫の友人たちもだし。


人を見た目で判断してはいけません、とは言うものの
牛蒡男から「井伏鱒二」が出てきたのは驚いた。