『蒲公英草子 常野物語』 恩田陸 | 鈴と空のブログ

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蒲公英草紙 常野物語 (常野物語)/恩田 陸
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変わりゆく日々に少女が見たのは、時を超えた約束と思い。
懐かしさと切なさの魔法がきらめく感動長編。
――――― 「BOOK」データベースより

個人的評価 : ★★★★☆


「常野」シリーズ、これの前にもまだあるようで。
初っ端に順番を間違えて読んじゃったので
もう気にしないことにして見つけたこれを。


最後の父親(旦那様)の姿に泣かされた。

あのシーンは外じゃ読めない。


彼女の最期が遠くないことはずっと描かれてたから
最期のシーンは哀しみはあっても泣きはしなかった。
帰ってきた彼女を迎えた父親の姿に。
一つの村を束ねて率いていく人の覚悟ということか。


自己犠牲の全てを無条件に美化するつもりはない。
遺される人の気持ちなんかを考えると、
「他に方法はなかったのか」と思えて仕方ない。
でも、彼女は立派に生きたんだな。


そんな哀しみも描かれてるし、
彼女親子以外にもとてつもなく重いものを抱えてる人もいる。
大切な人を亡くして苦しんでいる人やら
自分のせいで人が殺められたと苦しんでいる人やら。


そもそも「常野」の人たちの人生そのものが
普通に考えれば大変なものなんだろうと思う。


なのに、なぜだか雰囲気がとても柔らかい。
これは好き。