- 狙撃 地下捜査官/永瀬 隼介
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警察庁長官狙撃事件の<真相>はこれだ!
組織の主導権を争う二大勢力、警視庁刑事部と公安部。
その暗闘が生んだ警官の重罪、そして最大のタブーとは――。
事件に迫るエリートキャリアの雄姿を描いた超本格警察小説。
東小金井署刑事課の上月涼子はある日、
署に籍を置いたまま本庁勤務という
異例の配置転換を告げられる。
しかも、彼女に与えられた任務は
警察官を内偵するという特別監察官だった。
涼子の直属の上司は、
東大卒のキャリア・鎮目竜二警視正。
鎮目は組織の罪を暴くために、囮捜査や
公安との容赦のない駆け引きを平気でやってのける。
涼子は必死にこの苛酷な任務をこなそうとするが、
やがて14年前に発生した
警視庁長官狙撃事件の<真相>につきあたる――。
著者渾身の超本格警察小説。
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★☆☆
好きだと思えるポイントが無かった……。
“囮捜査”“容赦のない駆け引き”や
おまけに警察官同士の蔑みやら嫌味やら、
読んでてものすごく厭な気分になることもある。
ただ、登場人物のそんな不愉快な言動だったり
こういう仕事(のやり方)をする小説というのは
別に初めて読んだわけでもない。
なのに、何故か最初の章から嫌悪感。
その嫌悪感の理由がはっきりしないから
避けようもなくて困っちゃう。
その原因不明の嫌悪感を乗り越えるほどの
面白みや迫力も感じられず。
今作の中心にある長官狙撃事件の真相にしても
ハラハラしかけるんだけど、結局「ん?」。
「発狂ビデオ」「見た物は皆死ぬ」と散々煽った映像も
一番強く感じたのは拍子抜け感で。
盛り上げて盛り上げて放り出された感じだろうか。
上月のやること・言うこともどうにも……。
対象(だと思ってる相手)に
わざわざ密告(というか進言というか)しに行くのも
自分なりの信念からだ、というならともかく
そうでもないようで。
特別監察官として、という以前に
警察官としてどうなんだろうと思ってしまう。
“エリートキャリア”鎮目も、
描かれてる内容のわりに存在感が軽いと言うか。
同僚の2人にしても微妙だし、
上月とその2人の最後の動きにしても
どうも安い感じが……。
残念。