- 深層/朔 立木
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大阪池田小児童殺傷事件、女子中学生手錠轢死事件、
大学病院薬物過剰投与事件、有名作家の子息自死事件…。
あの大事件は「小説」でしか表現できない。
法曹界に身を置く著者が描く、事件の中の真の人間の姿。
――――― 「MARC」データベースより
個人的評価 : ★★★★☆
医療過誤を描いた『針』が群を抜いて好き。
激務・過労ってことがあったにせよ、
ついでにチェック機能がまるで働いていなかったとか、
他の人間のミスや不作為があったのも事実だとか
色々と積み重なっての悲劇だとしても
ヒデノリ先生がミスを犯したという事実は消えない。
ただ、それでもああいう展開でなければ
ヒデノリ先生はきっといい医師になっただろうに。
事故(事件)が発覚してからの患児や上司への対応から考えるに、
きっと患者のことを真剣に考えてくれる立派な医師になったろうに。
そういう人だからこそのあの展開、なのかもしれないけど
それでもやっぱりあの結末は残念だ……。
「ヒデノリ先生のようになる」という
あの彼の誓いはどうなるだろう。
何事もなかったかのように平気な顔してる人間と比べれば
よほどマシだとは言え、結局無関係なフリしたままなんだよな……。
心の中に重いものを背負ったことで
罰を受けたとしていいものだろうか。