- 東京ダモイ/鏑木 蓮
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江戸川乱歩賞受賞作
男は帰還を果たし、全てを知った。
極限の凍土・シベリア捕虜収容所で起きた中尉斬首事件
60年間の沈黙を自らに強いた男が突如、姿を消した――。
風化する歴史の記憶を照射し、
日本人の魂を揺さぶる感動作!
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
読み終わった後に思わず「はぁ……」って息をついちゃう感じ。
面白かったんだけど、ヘビーで。
シベリアでの斬首事件は、
シベリアじゃなかったら起こらなかっただろうし、
シベリアじゃなければ企んでも上手くはいかなかっただろうと思う。
選者のコメントに「現在の事件が少々弱い」
というようなのがあって、
それには頷けてしまう部分も少しあるんだけど、
シベリアの様子は本当に壮絶で面白かったのと
最後に犯人のあの人が過去の姿に戻ってくれたのとで
そんなことは気にしなくてもいいかと思う。
「抜かずに勝つ」のあの人の最期があまりにも哀しい。
信じて裏切られてあの最後じゃ…。
「ダモイ」って言葉はこれを読むまで知らなかった。
広島・長崎の原爆と比べてあまりにも知られなさ過ぎる、
というのにも「確かに」。
私が知らなかっただけだろうか。