『白い部屋で月の歌を』 朱川湊人 | 鈴と空のブログ

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白い部屋で月の歌を (角川ホラー文庫)/朱川 湊人
¥580
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ジュンは霊能力者シシィのもとで除霊のアシスタントをしている。
仕事は霊魂を体内に受け入れること。
彼にとっては霊たちが
自分の内側の白い部屋に入ってくるように見えているのだ。
ある日、殺傷沙汰のショックで生きながら
霊魂が抜けてしまった少女・エリカを救うことに成功する。
だが、白い部屋でエリカと語ったジュンは
その面影に恋をしてしまったのだった……。
斬新な設定を意外なラストまで導き、
ヴィジョン豊かな美しい文体で読ませる新感覚ホラーの登場。
第十回日本ホラー小説大賞短編賞受賞作。
――――― 裏表紙より


個人的評価 : ★★★★☆


保科さんの『相続人』を読んだときに
同年の短編賞を朱川さんが受賞されてると知って
読みたいと思っていたのがこれ。


「美しい」というのに納得。

血濡れの霊だったり霊能力者やその息子の行為だったり
とても「美しい」とはいえないことも書かれてるんだけど
全体の印象は「美しい」という言葉が納得できる。

多分“ジュン”が美しいんだと思う。


表題作のほかにもう1話、『鉄柱』。
「テッチュウ」ではなく「クロガネノミハシラ」。

これも好きだった。

主役の夫婦が迎える展開はわりと想像通りだし
別れがあったり不気味さがあったりもするんだけど
作品全体の雰囲気がなんとなくいい。

「ノスタルジック」とはちょっと違うんだろうけど

ただ怖がらせたり驚かせたりするだけのホラーじゃなくて。