『赤々煉恋』 朱川湊人 | 鈴と空のブログ

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たまに真面目なことをかいたりもするかも。

赤々煉恋/朱川 湊人
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切望と悲哀、そして妄執……
人間の欲望を赤裸々に描く


直木賞作家の新機軸
切ない余韻の残る五つの物語


人を愛するって、どういうことなのでしょう?
ただ見つめあい、胸をときめかせることでしょうか。
優しい言葉で労ってもらうことでしょうか。
それとも同じベッドに入り、繋がりあうことでしょうか。
相手の人生を縛る契約を交わして、
明日を保証してもらうことでしょうか。
――――― 帯より


赤々とした炎のように何かに身を焦がし、
切望する者たちの行く末は―――。


そんな五人の様々な愛の形を巧みな文章で書き綴った、
直木賞作家・朱川湊人の新機軸。
切なさと悲しさあふれる連作短編集。
――――― 表紙袖より


個人的評価 : ★★★☆☆

4つと悩んでぎりぎり3つ。


初・朱川さん作品だった『かたみ歌』は
穏やか・優しいという印象だったのと一転、
これは“哀”の印象が一番強く残るかな…。
あとは“狂気”とか。


一番最初の「死体写真師」という話で
「え、このまま終わっちゃうんだ」って驚き。
師長あたりが間一髪のところで!と思ってたので。
まぁそれじゃ随分ありがちな展開ではあるけど。


で、次の話で『かたみ歌』と全然別のタイプなんだなと再確認。


一番好きだったのは『アタシの、いちばん、ほしいもの』。
他の4編が歪だったりするにせよ男女間の愛の話なのに
これだけちょっと違うような。


“アタシ”が何者であるかについては途中で想像できちゃうし
悲劇は起こるし、それを防げなかった“アタシ”は痛々しいし、で
「好き」というのとは少し違うかな…。
一番印象に残った話、という感じだろうか。