『ビター・ブラッド』 雫井脩介 | 鈴と空のブログ

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あとは気になる人やニュースなんかについて思ったことを書こうかなと。
たまに真面目なことをかいたりもするかも。

ビター・ブラッド/雫井 脩介
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「お前に憧れて、刑事になったわけじゃない」



警視庁の新米刑事・佐原夏輝。
初の現場でコンビを組むことになったのは、
少年時代に別離した実の父親だった―――。


「犯人に告ぐ」、「クローズド・ノート」で
各界から大きな注目を集める著者、待望のミステリー!


「人に裏切られた経験を持つやつは、
 人に過剰な警戒心を抱く。
 刑事ってのは、そんな人間ばっかだ。
 お前も親父に裏切られたと思ってるなら、
 すんなり現場に溶け込めるんじゃないか」

ベテラン刑事の父親に反発しながらも、
同じ道を歩む息子の夏輝。
夏輝がはじめて現場を踏んでから一ヶ月が経った頃、
捜査一課の係長が何者かに殺害された。
捜査本部が疑う内部犯行説に、
曲者揃いの刑事たちは疑心暗鬼に陥るが……。


日本エンターテインメント界に衝撃を与える渾身の一冊!
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★☆☆


ちょっと期待しすぎたかも。
雫井さん・刑事ものということ、帯の文句もあって
「犯人に告ぐ」みたいなのを期待してた。


ミステリとあるものの最初しばらくは
断絶した親子の再生物語に重きが置かれてるのかなと。

でも進むうちにそういうわけでもないのかな…、に変わって。


真ん中あたりで警察官殺しが起こって、
さぁミステリとしてグッと面白くなるんだ!と期待したものの
裏切り者(内部犯)の正体もその人物が明かされる過程も、
イマイチ盛り上がらないまま終わっちゃった感じがして。


ベテラン刑事である父親は確かに
個性の強いキャラクターなんだけど、
そんなに面白いとも好きだとも思えず…。


話の中で一番好きだったキャラクターは最後が哀しいし。


内部犯を逮捕した後、
親子ともう一人の刑事で「墓守」を訪ねるところは好きだった。
それまで父親刑事ほどのクセもない、
普通にスマートなイメージだった先輩刑事の執念、悲痛な姿、
描写としてはほんの数行だしわりと淡々とした表現なんだけど
その先輩刑事の姿はかなり印象に残る。