『天使のナイフ』 薬丸岳 | 鈴と空のブログ

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たまに真面目なことをかいたりもするかも。

天使のナイフ/薬丸 岳
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江戸川乱歩賞受賞作!

殺してやりたかった。
でも殺したのは俺じゃない。

妻を惨殺した少年たちが死んでいく。
これは天罰か、誰かが仕組んだ罠なのか。

「裁かれなかった真実」と必死に向き合う男を描いた感動作!

衝撃の展開!
驚愕のラスト!
――――― 帯より


個人的評価 : ★★★★★


以前カミジさんのところ で 『虚夢』 という作品を紹介されていて

興味を持った作家さん。

なのでホントはその 『虚夢』 が読みたかったんだけど

ずっと貸し出し中なので先に他の作品を。


かなり面白かった。
「気づいたら最後まで読んじゃってた」って感じ。
ただ私は“感動作”という印象はあまりなかったけど。


妙に気になる書き方されるキャラクターがたくさんいて
きっと何だかの鍵になるのかな、なんて思いながら読んで
それでもその関わり方にはビックリした。


「俺」が違和感を感じた義母の態度にも納得。
娘を殺した少年への怨みがないわけではもちろんなくて
娘の5年を思うと母親として複雑な心境だったんだろうな、と。


「残りの半分はどうしたんだ?」とか
「どうやって彼女の現在を知ったんだ?」とか
気になるまま終わるのかと思いきや、
最後の数ページで両方書かれてて良かった。


偶然がうまいこと重なりすぎな気も多少するけど、
「面白ければ少々のことは…」ということで。


この話の中で一番の悪人は誰なんだろうかと。
罪を犯した人間、人を殺めた人間はたくさん出てくるけど
「一番の悪人」となると2人思い浮かぶ。


死刑存置国なのに凶悪犯罪がなくならない以上、
厳罰に犯罪抑止効果はないと思うけど、
少年法に関してはまた話が違うのかな…。

でも厳罰化よりもまず記者の貫井の言う「教育」だろうな。


「法律は弱者を護るものじゃなく、それを知ってる人間を護る」
って言葉を思い出す。
確か殺人事件の被害者遺族の方の書かれた本に書いてあったんだ。