- 空白の叫び 上/貫井 徳郎
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ふつうの少年がなぜ人を殺すのか
世の中への違和感を抱え、
彼らは何を思い、どんな行動に出るのか―――
やがて殺人者になる三人の心の軌跡をたどった戦慄のクライム・ノベル
――――― 帯より
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殺人者となった少年は更生できるのか
後悔はしていない、罪を償ったとも思っていない―――
再スタートを切った三人の挫折を鮮やかに描き出す新機軸ミステリー
――――― 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
上下巻合わせて1000ページ以上ある割にはすいすい読めた。
全体の印象としてはなかなか好き。
けどどこが好きなのかが自分でもイマイチわからない。
キャラクターが特別魅力的なわけでもなし、
読み終わってすごく気分が良くなるわけでもなし
(むしろ読後感は悪いくらいじゃないかと思う)、
ミステリ的な驚きとしても中くらいのビックリ感。
けどなんか好き。
ただ、最後の終わり方(お墓のシーン)は嫌。
あの叫びは空しくて痛々しくて。
タイトル的にはピッタリなのかもしれないけど。
上巻は「クライム・ノベル」という印象ではなかった。
ここで描かれる三人は「平均的な」中学生だとは思えないんだけど。
まぁ何をもって「ふつう」というか、ってことなのかもしれないけど
少なくとも私はこの三人が「ふつうの少年」だと言うのは違和感がある。
毎朝通学途中にご近所さんの飼い犬を蹴り上げたり
同級生に買春を仲介してもらうのは「ふつうの少年」なんだろうか。
敷地内に住む使用人の息子に複雑な気持ちを抱いている少年も、
経済面だけでなく、精神的にも平均的な中学生には思えなかったし。
もう一人の少年は家庭環境は相当複雑だけど、
この中では比較的イメージしやすい「ふつう」なのかな。
三人以外のキャラクターが担う役割のわりに
描かれ方が中途半端な感じがしなくもない。