孫に片思いのお祖母ちゃん、
夜な夜な洋食屋に出没するホラ吹き爺さん、
海外旅行の達人の老女―――。
それぞれの悲哀を抱えながらも、
不思議とどこかたくましい老人達を描く、
しみじみおかしい長生き百態。
――――― 中公文庫版 裏表紙より
個人的評価 ： ★★★★☆
ほとんどは劇的なことが起こるわけじゃなくて、日常の話。
だから淡々としてるんだけど、
その中にほんとにたくましさとか哀切とか。
一番好きなのは海外旅行の達人のお婆ちゃんの話。
たくましいんだけど、それは自分勝手なものじゃなくて
素直さと可愛らしさもあって。
こういうお婆ちゃんになれたらいいなと思えるような。
ホラ吹き爺さんの話を上手く聞ける洋食屋のマスターはすごい。
そうあろうと思って頑張ったこともあったけど、無理だった。
しばらくは大人しく「うん、うん」って聞いていられても
あまり繰り返されると、態度に出てしまう。
反省させられたり、「アホやなぁ」って思ったり。