- 冤罪者 (文春文庫)/折原 一
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闇にひそむ獣を追え!
“連続婦女暴行魔”河原輝男の控訴審に投じられた一つの新証言。
それが新たな惨劇の幕開けだった…
逆転、また逆転の1000枚!
あなたは真犯人を見破れるか?
俺が殺したとされるのは、中野区内のマンションに住む女だった。
あの夜、俺はぐでんぐでんに酔って、
酒場で女と意気投合し、ラブホテルに入った。
俺がやったとされる事件は、その時間に起こっているのだ。
俺にはその間の記憶がない。
女とセックスした後は眠ったと思うが、いやな夢を見た。
マンションの二階に忍びこんで女を襲う夢だ。
いやがる女を無理に押さえつけた時、頬を爪で引っかかれた。
翌朝、ラブホテルのベッドで目覚めた時、
俺の頬に長さ二センチほどの引っかき傷があり、ひりひりと痛んだ。
だが、俺はやっていない。
でも、もし夢遊病だったら……。 (本文より)
――――― 1997年版 帯より
個人的評価 : ★★★★☆
3つ寄りの4つって感じだろうか。
“逆転、また逆転”には確かに驚いたりもした。
「面白いか、面白くないか」ってことだと「面白い」なんだけど
なんか読んでる最中から読後も、疲れる。
初折原さんだった『ファンレター』もあまり後味が良くないって印象だったけど
これは「悪い」。「良くない」なんてもんじゃなくて。
救いがなさ過ぎる。
五十嵐たちは別として、他の主だった登場人物みんな
殺されたり、亡くしたり、壊れたり。