「蝦蟇口」と書いて読める方は何人いるだろう。かく言う私も読めないのだが…「がまぐち」と読む。年齢層によっては、がまぐちすら知らない世代もあるかもしれない。
一昨日、御殿場の駅前からは少し離れた…それでも一応は駅前通りを歩いていると何気に目に入ったこの蝦蟇口。一目惚れ。
御殿場では老舗の呉服店の軒先に「御奉仕品」としてワゴンセールのように無造作に置かれていたのだ。
私のような風貌の男がこの蝦蟇口を手に取り店内の老夫婦に「この蝦蟇口をください」などという光景は滑稽かもしれぬが、店内の老夫婦も驚愕と不審気な態度で私のことを見つめた。私は、
「今どきこのような大きな蝦蟇口は珍しいですね。」
などと根拠のない会話で老夫婦を安心させようと必死だった。すると、
「この蝦蟇口には猫が描かれていてね、猫は縁起物なんですよ。」
とお婆さんが言って裏を見せてくれた。
我が家には一連の猫騒動があるものの、実は私は猫が好きなのである。
なんだか凄く良い買い物をしたと思えた自分が誇らしい。
元々は母の日に…と考えていたが猫も描かれていることだし母の日のプレゼントは他のものを考えるとして、この蝦蟇口は私が愛用しよう。
さて、この猫は私に何を招いてくれるのだろうか。