「 伊豆熱川〜殺人疑惑の乗客 」 (2012年)

(ゲスト)
古谷奈津美…櫻井淳子、 杉田雅之…菊池健一郎、 杉田雅信…佐藤B作、 江国貴臣…本田博太郎、 滝遼子…宮本裕子、 入間隆平…近藤公園、  福原由希…穂のか

【オープニング】
タクシーも営業努力が必要。世の中不景気なので、お客さんもシビア。シビアの権化のようなお客さんとして蓉子さん登場。目的地の手前でストップ!と声をかけたのに、停車が間に合わずメーターが上がってしまったことにクレーム。声をかけたのに停車が遅かった、だから、ワンメーター分しか料金払わない、とごり押しし、結局、差額は夜明さんの自腹。「おつりください。おつり290円、早くー、腰痛いだからー」。ジャーミー君(@トリック)が出てきそうな多国籍な雰囲気。


静岡の病院へ行ってほしい、と奈津美が夜明さんの車に乗車。静岡の病院で雅信と遭遇。奈津美、人殺し、と罵られる。いつになくシリアスなスタート。

新係長の徳井優さん登場。ちりとてクラスタにとっては、あわれの田中。前所長の二朗と比べるとおとなしい感じ(というか、これが普通で、二朗のテンションの方がおかしいんだよな)。ひたすらに名刺推し。

夜明さんに奈津美から迎車の指名。向かった先の美容室のおかまさんがグイグイ来る。九十九一さん。どこかで見たような気がするけど忘れた。眠れないなら、ひつじの代わりに野口(自分)が一人、二人、と数えることを推奨。でもそれ、絶対、眠れない。

遼子死亡。東山、国代、馬場さん臨場。お互い、巡査部長で変わらないことを確認、けん制しあう国代と馬場さん。仲いいな。「相変わらず巡査部長ですよー、馬場さんと一緒で」。

遼子殺害の容疑者として奈津美が浮上。聴き込みのために東成薬科大学を訪れた東山たちの前にあゆみちゃん登場。固まる東山と国代。アルバイトで、江国教授の秘書をしているらしい。団子ヘアーに眼鏡、気取った口調で似合わないけど、かわいい。

夜明さん強制起床。夜明さんを布団ごと運び、日に当てて起こす作戦。「日に当てるぞ」「日に当てましょう」。それでもなかなか起きなかった夜明さんだけど、「古谷奈津美」という名前を聞いたとたん、東山も「アレッ、い、いや」と戸惑うほどの勢いで、シャキッと起き、国代に濃いコーヒーを依頼。日に当てて起こす、というのが斬新でかわいらしくて笑った。

奈津美のアリバイを夜明さんが保証する、と言ったことについて、神谷さんが反発。「気に入らないなぁ」を繰り返す。この場面、ジャン、という効果音とともに、メタな笑いに走っていて、ちょっと嫌。ドラマって、SNSや実況をどの程度意識してるんだろう。面白いときもあるけど、そればっかりだとつまらないし、それが過ぎると、虚構から現実に戻される気がして、嫌だなぁと思うことが多い。

江国(というか江国の秘書のあゆみちゃん)の指名で、江国を東成薬科大学まで送り届けた夜明さん。そこであゆみちゃんと遭遇。親子でどつきあいしているのがいいな。学内で奈津美と話をしていたところへ東山たちがやってくる。「先輩、また夜明さんがいますよ」「子どもも一緒にいるぞ」。東山の 「子どもも一緒にいるぞ」  の呟きがなんとも味があって、好き。

遼子と不倫をしていた入間。ダメ男かと思ったけど、奈津美と話をしているときの入間は、めちゃくちゃいいやつだった。

奈津美から迎車の指名。指名が重なる夜明さんに大喜びする徳井さん。野村さんたちに「みなさんも、見習ってくださいー」と嫌味をいうけど、背が小さいせいか、まったく怖くないし、むしろ、かわいい。

伊豆熱川での夜明さんと雅信の場面。B作さんがとてもいい。息子からの手紙を読むときの喜び、死にゆく息子に呼びかけるときの必死さ、息子を信じきれなった悔しさ。そういったものがひしひしと伝わってくる。

江国が殺され、夜明さんのアパートで再び捜査会議。料理をする馬場さん(エプロン着用)とあゆみちゃん。東山「あゆみちゃんはこういう方がいいよな。なんとかでございまーす、ございまーすってなwww」。一方で、寝ている夜明さんに強制的に捜査情報を流し込む東山と国代。眠そうに相手をしていたが、奈津美の名前が出たとたん、また、シャキっとする夜明さん。そのことを指摘され、「ホント?」と聞き返す夜明さんがなんかかわいいし、奈津美がよろしくと言っていた、と言われ、ヘラヘラ笑っている夜明さんもかわいい。

あゆみちゃんに大学の内情を探るよう言ってほしい、と夜明さんに頼む東山たち。東山「お願いします」、「ダメです」、国代  「お願いします」、「ダメです」 、馬場さん「いただきます」、「ダメです」。馬場さんの言葉を皮切りに魚(ししゃも?)を奪い去っていく東山たち。「いただきます」の唐突なカットインに吹いた。

東山たち、奈津美に聴き込みに来たところへ、夜明さんと遭遇。捜査状況を聴きたい夜明さんと話したくない東山たちとで、カバディ開始。逃げられない東山、さわりの情報だけは教えたが、それ以上は民間人には教えられないと立ち去ろうとする。が、つかまり、「どの口がそんなこと言ってんの。どの口が。聴きたいときは起こして聴くくせに」と夜明さんからほっぺたをギューっとつねられる。確かに、夜明さんの気持ちも分からないではないけど、完全に公務執行妨害だな。ほっぺたつねりは、この先、定番化していく。

家に戻った夜明さん。自分の布団に、あられもない姿で寝ている若い女性を発見。目を丸くしていったん戸を閉め、再度確認。さらに、自分の家かどうかも、確認。そのタイミングで、いつものようにあゆみちゃんが現れ、「何もしてないよ」を連呼する夜明さん。結局、夜明さんの家で一緒に飲んで寝てたあゆみちゃんの友達、というオチだったけど、夜明さん、目、泳ぎすぎ。

ストックの酒を全部飲まれ、その代わりに与えられた弁当をモソモソ食べながらお茶のリクエストに応える夜明さん。なんだか、わびしくなるけど、生活感があふれていて好きな場面。

神谷さんの夜明さん宅訪問with一升瓶。遼子殺しに関する奈津美のアリバイは夜明さんのタクシーに乗っていたということ。シロという夜明さんに、「篭絡されているんじゃないでしょうね」と、いつもの地雷を踏む神谷さん。結局、けんか別れして神谷さんは帰る。安定のシーン。

あゆみちゃん、夜明さんをランチに誘う。中華の食べ放題。「おごらせる~」、「絶対来てよ」。 毎回いうけど、 この親子は、かわいい。

真相に気づいた夜明さん。奈津美に、伊豆熱川に行こう、雅之さんの仏前に手を合わせたいだろうから、と誘う。「許してくださるでしょうか、お父様は」「今なら」。お互い、大事なことを心に秘めての会話に、緊張感があって良い。

奈津美に、思いとどまるべきだった、と語る夜明さん。雅之と奈津美の幸せそうな場面が挿入されて、本当になぁという気持ちになった。最後、熊木さんの「今日になるから」がよく合ってて、いい場面だった。

【エンディング】
あゆみちゃんのおねだり「5万8000円、おてごろー」に「うちに帰ってさ、塩じゃけで、お茶漬け食べよ」と返す夜明さん。それに対するあゆみちゃんからの焼き肉リクエストに、今回は「久しぶりに、焼き肉行くか」でエンド。


笑いの場面もシリアスな場面も、どちらもテンポよく、破たんなく、好きな回。奈津美の雅之への愛情に罪悪感が加わって遼子、江国への怒りが増幅されて殺害、という殺害動機も腑に落ちた。櫻井さんもよかったし、B作さんもよかった。