★被削材について。 | 「機械加工・面取り・ものづくり」切削する女子@リンのブログ

★被削材について。

こんにちは。切削する女子!@リンです。

今回は、被削材…つまり「削られるモノ」、ワークについて書いてみます。

◆鉄鋼(JIS記号 SS~、S~C)

鉄というものは、実は、元素記号Feの鉄(純鉄)は展延性(軟らかく伸びがよいこと)が高く、軟らかで機械的強度が低いので、そのままでは機械材料には向きません。
意外ですが、普段、私たちが「鉄」と呼んでいる材料は、鉄と炭素を結合させた(こう)と呼ばれる合金なのです。

鉄鋼材料の性質は、炭素含有量で大きく変わります。

機械の材料に使われるのは、機械構造用炭素鋼と呼ばれるもので、熱処理によって加工性、機械的性質などを調質(合金成分や熱の与え方などで金属の性質を調整する操作)しやすい鋼材です。

炭素鋼を調質する例としては
・パーツを高温まで加熱→ゆっくり冷却→均一で安定した組織ができる「焼きなまし」
・パーツを高温まで加熱→油や水で急激に冷却→炭素などの元素が析出して硬くなる「焼き入れ」
このようなものがあります。

SSとS45C…どう違うの?


◆ステンレス(JIS記号 SUS~)

ステンレス鋼は、炭素量の低い鋼の表面に安定したうすい酸化皮膜を作って、耐食性を高めた特殊な鋼です。

家庭用品、建材、航空機、工具などいろいろな方面に使われています。例えば、スプーンの裏に「18-10 stainless steel」と刻印があれば、鋼にクロム18%、ニッケル10%を含有させたステンレス鋼のことをいいます。


◆鋳鉄(ちゅうてつ)・いもの(JIS記号 FC~、FCD~)

鋳鉄は、鉄鋼と同じく鉄と炭素の合金のうち炭素を多く含んだもので、鋼と比べると
・引っ張りに弱く圧縮に強い
・靭性が低いが硬度が高い
・振動を良く吸収する
などの特徴をもちます。

鋼よりも低い温度で溶け、溶けた金属の流動性が高いので、「鋳造(ちゅうぞう)」と呼ばれる加工に適しています。

また、硬い、よく削れる、振動を吸収するなどいろいろな長所がある反面、割れやすいという大きな弱点があるため、工夫して機械や工具に使われています。家庭にあるものでは、鉄瓶、たこ焼き器、ジンギスカン鍋、鉄風鈴などがこれにあたります。


◆ダイス鋼(JIS記号 SKD~)

炭素とクロムを多く含む合金鋼で、金属組織に点在する非常に硬い複合炭化物のため、工具の磨耗を促進させる特性をもっています。金型、刃物に広く使われています。



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