BMW Z4Mクーペ
直列6気筒DOHC M社の傑作と言われるS54B32型エンジン
343PS/37.2kgf・m 6速MT
オーナーは、
「完璧に整備してあるよ!」
なんと美しいお尻・・・・・
この4本のマフラーが奏でる感極まる音色を、この時点では知る由もありませんでした・・・・・・
ドライバーズシートはかなり低いポジションにあり・・・・・
太った体型の方には辛いかも(爆)・・私じゃん!
・・・・・足を手で折り曲げて・・・・・・・
国内販売はたった60台・・・・・
このスーパーカーを今から運転できると思うと、血沸き肉踊りました
現代の車らしく、クラッチを踏みエンジンに火を入れます。
シルキーシックス(この時点ではBMW社風に理解していた)は静かに目覚めるのでした。
どんな車でも10分も運転すれば概ね乗りこなせる・・・・・そんな自負があり、自分に奢っていました。
するするする・・・・と走り出します。
ん??
なんだ?なんだ?この運転のし難さは?
M社の傑作と言われているS54エンジンは、低回転でもトルクがあり発進時は神経質にならなくても問題ない・・・・・
が・・・・・・
思いのほか、1速がローギアードで強烈に吹け上り、パワーとトルクを抑える微妙なアクセルワークが出来ないと、クラッチを切った瞬間のパワーカットの衝撃が強い・・・・・
他に表現するなら・・・・・例えに無理がありますが、クロスカントリー車(ランクル73などの大排気量4200ccディーゼル車)のマニュアル車のギア比は、1速がかなりローギアードセッティングされています。そのため、1速と2速のギア変速のつながりが悪い・・・・・・しかも大排気量のトルクで1速を吹かすと、クラッチを切った瞬間に衝撃が出ます。・・・・・その感じに近い・・・・・・・・・
そのため、ランクル73の時は常時2速発進でした。まあトラックと同じですね(爆)
う~~~~~ん
悩みます。これでは、同乗されている方が不快に感じてしまう・・・・・・
ポルシェのマニュアルミッション車の方が乗りやすい・・・・・・
そんなことを、オーナーも言っている・・・・・
しかも、オーナーが同乗されているので、ミッションやクラッチ操作に気を遣い、さらに悩みます。
いつもの直線でアクセルを全開にしてみます
タコメーターの針は、まるでロータリーエンジン(13B)のように吹け上がり、耳には4本のマフラーが奏でる喚起の雄叫びが聞こえるのでした
エクスタシー
全域に力強く、343PSのパワーが7900回転で発生します!
私は7500回転までアクセルを踏み込み続け2速から3速にシフトチェンジするのでした。
豹変・・・・・と言う言葉がピッタリです。
スポーツモードでアクセル全開にすると、ホイールスピンしそうになる?いや一瞬はタイヤが鳴るのですが、メーター内にあるDSCインジケータマークが点灯しコントロール制御を容易にしてくれているようです。
オーナーが・・・・
「DSC切っちゃいますか?」
と、言ってくれましたが、Mクーペの電子制御OFF時がどのようになるかが想像できたため・・・・
いや、自分の制御ができなくなりそうなので・・・・・
「今日は止めときます」
と答えるのでした。
昔の癖で、自然にダブルクラッチでシフトしている自分に酔いしれ、アドネラリンはレッドブル以上に出るのが分かりました。
この車は遠慮してはダメだ・・・・・
これが感想です。
M社の究極チューニングは、高圧縮でエンジンのレスポンスはすこぶる早い!一瞬にして回転は跳ね上がり下がる・・・・・
遠慮し気を使う運転では、絶えずアクセルを煽り気味にしてエンジン回転を合わせることに神経を注いでしまう・・・・・・
そんなことを忘れ、ただ走ることに集中しアクセルを踏み続けることが出来る時・・・・・・
BMW Z4 Mクーペと一体になり駆け抜けるのでしょう・・・・・・・
乗り手が選ばれる・・・・・
シルキーシックスと言う表現は違う・・・・・
驚愕のチューニングエンジンだ!
試乗は、いつも以上に周回をさせていただきました。
まだ足りない・・・・・
まだ足りない・・・・・・・・
あと、何周すればMクーペと一体になれる?
駆けぬける歓びを感じてみたい・・・・・・・
そんな気持ちのまま、試乗は終わりました。
オーナーに運転を代わってもらい、今回行わなかった急制動を行ってもらうと・・・・・
物凄いストッピングパワーです。
100キロからの急制動では34メートルで0キロになると言われていますが納得です
ブレーキの踏み心地がSUBARU社に似ていると感じていました。
初期の踏力では敢えて抑えるセッティングです。
ガックンブレーキではないのです。
これだけの制動力を、軽く踏むだけで効かせると神経質になってしまいます。
50キロからの急制動に合わすか?300キロからの急制動に合わせるかの違いですね!
駆けぬける歓び・・・・・・
BMWのMシリーズは、そんな言葉がピッタリなのかもしれない・・・・・・・
オーナーは・・・
「これは始まりです!次回は是非!高速で乗ってみてください!」
そんな嬉しいお言葉を残し、夜の街にS54のエンジン音を響かせながら帰って行くのでした。