フランスの高級ブランド"ルイ・ヴィトン"。その知名度の高さから、日本人女性の約40%がルイ・ヴィトンの製品を持っていると言われているほどです。パリのシャンゼリゼ通りにあるルイ・ヴィトン本店は世界最大フロアを誇る立派な佇まいで連日観光客が賑わう人気スポット。そんな本店が2003年に改装工事に伴う休業に入りました。世界中の視線を独り占めにした"休業中のルイ・ヴィトン本店"の姿についてご紹介します。

パリのシャンゼリゼ通りにあるルイヴィトン本店

 

日本でも非常に人気の高いフランス高級ブランド"ルイ・ヴィトン"。本店はパリのシャンゼリゼ通りにあり、連日店内は世界各国の観光客で賑わっています。パリの中心地にふさわしい立派な佇まいからは、1854年から続くルイ・ヴィトンの歴史を感じられますね。

 

通常では手に入りにくいバックや小物、本店だけのオリジナルアイテムなど。リニューアルを期に世界最大のフロアーを誇る店舗となった本店は品揃え豊富で、訪れたお客様を迷わせる。

 

さすが芸術の都。工事中さえも素敵

約160年もの歴史を誇るルイ・ヴィトン。パリ本店では、2003年11月に大規模な改装工事がスタートし、約1年間の休業に入りました。その休業中の本店の様子が素敵だと世界中で話題に。その姿がこちらです。

巨大なヴィトンの鞄で建物を囲うという粋なはからい

 

改装工事に入ったパリ本店には、工事中ということを感じさせない粋な計らいが施されました。なんと、アパート5階分ほどの高さのある巨大ルイ・ヴィトンバッグで本店を囲っていたのです。まるでおとぎ話のような世界観に、パリを訪れた世界中の人々が驚いた事でしょう。

 

改装工事から10年以上の月日が流れましたが、インターネットで「パリ ヴィトン」と検索すると最初の方にこの工事中の写真が出てきます。人々の記憶に深く残っている事がわかりますね。

工事現場を巨大なカバンで覆うあたりが素晴らしい発想とセンス。完成した外観よりもむしろこちらの概観の方が良い気がしないでもない。

金具や縫い目もリアルに再現

 

建物を囲う巨大鞄は、これだけの大きさにも関わらず作りもルイ・ヴィトンらしく精巧。もっと近付いて見てみましょう。

 

金具も縫い目も本物に劣らない程非常にリアルです。この巨大鞄、製作日数は一体どれほどだったのでしょうか。

歴史的建造物とは言うまでもなく「都市のランドマーク」である。長い年月、常に都市の中に存在し続けてきたものである。たとえ工事中の一時期であろうとも、それが存在していないことは許されず、変わらずそこになければならないという、強烈な意識がこのようなプリントから感じられる。

 

パリの景観保全は厳しい

歴史が残る街パリではあちこちで改修工事が頻繁に行われています。しかし都市の景観保全のためパリの建築基準は非常に厳しく設けられており、人目に触れない場所でさえ景観保全をする義務があるそうです。

都市の景観保全のためパリの建築基準は厳しい。たとえ人眼にふれない中庭に面したアパートの窓の改修でさえ、景観保全を証明する義務がある。

 

工事現場の風景からその建物を取り巻く人々の都市に対する意識が伺えるということだろう。仮囲いが表しているのは、建物が完成するまでの期間、都市に対してどう接するのか、という思想である。

 

                    

さすが世界のルイ・ヴィトン。どんな時も人々にわくわくやドキドキを与えようとする精神と、磨かれたセンスが素敵ですよね。