Troublemaking [fragment] | Shudder Log

Shudder Log

* このブログの内容はすべてフィクションであり、実在の人物や団体とは一切関係ありません。

BigBang、Gdyb前提Griというか、Gdybはそういう関係ではないが。
GDとTYはお互い好きで、でもTYがカタいので、GDはSRに行っちゃった。
SRもGDが好きなので受け入れるけど、本当はTYを見てるの知ってるよ、という。
ここではTYとSRは仲悪いと思う。
 
 
 ***
 
 
トラブルになる、ということは分かっていた。
テヤン兄がジヨン兄を好きなのは明らかだったし、というよりむしろ、二人がお互いに好き合っているのは、他の三人にとっても自明だった。
俺以外の二人はよろしくやっていて、俺はジヨン兄が好きで、そのせいでテヤン兄には余計に嫌われているのも分かっていた。
 
だから、というか。
だけど、というか。
 
 *
 
笑い声が響いて、ジヨン兄がひとりじゃないことが分かった。
ドアの前で思わず立ち止まり、耳を澄ませる。
 
――― テヤン兄。
 
わざわざ呼び出されて来てみれば。
ひとつ息を飲み込んで、勢い良くドアを開ける。
 
「運転手が来ましたよー」
 
ソファに並んで座っていた二人のヒョンが同時に振り返り、その内一人は顔を曇らせた。
もう一人は悪ガキのような笑みを浮かべる。
 
「遅えよ」
「スイマセンね、道が混んでて」
 
眉を下げながら近付くと、ジヨン兄が手を伸ばす。
アームレストに座れば、その手は俺の腰に回される。
俺はヒョンの肩を抱いて、額にキスを落とした。
 
テヤン兄が苦々しい顔でため息をつく。
 
「じゃ、帰ろっか」
 
ジヨン兄は笑顔のまま立ち上がり、ごく自然に俺の手を取る。
それからテヤン兄の方を振り返って、明るい声で言った。
 
「俺ら、付き合うことになったんだ」
 
目を見開いて、思わず叫んだのは俺だった。
 
「は?」
 
ふたりのヒョンが同時に俺を見る。
 
「なに、違うの?」
 
驚いた顔をしたジヨン兄が、あっけらかんと言う。
 
「いや、言うとは思ってなくて」
 
キスして、手を繋いでおいて、今更ではあるのだけど。
はっきりと、付き合っている、と言葉にされるとは思わなかった。
物凄く嬉しい。
でも。
 
「隠すようなことでもないだろ」
 
空いている方の手で、ジヨン兄は俺の頬を包む。
向けられる極上の笑みと、視界に入るテヤン兄の、伏せられた目。
 
「そりゃ、そうですけど」
 
キスされるんじゃないかというくらいに顔が近付く。
慌てて身体を引くと、ジヨン兄はあっさり俺を解放した。
 
「俺らだけじゃないんだし」
 
それも、言うとは思わなかった。
 
「あとはヨンベだけだね?」
 
テヤン兄を見て、笑みを浮かべる。
 
――― 違うでしょう、ヒョン。
 
テヤン兄は俺をちらりとも見ずに、部屋のドアへと向かう。
ひどく不満げな同意の言葉を残して。
 
「ああ、その通りだな」
 
その後ろ姿が見えなくなるのを待って、ジヨン兄はため息をついた。
たぶん、無意識のうちに。
 
お願いだから、そんな顔しないでくださいよ。
 
「ジヨン兄」
 
名前を呼んで振り向いたところに、俺はキスをする。
 
「愛してます」
 
ヒョンは笑って、キスを返してくれる。
 
「俺も」
 
もう一度だけキスを交わし、テヤン兄の後を追う。
繋いだ手に力を込めれば、ジヨン兄も同じように握り返してくれて。
 
俺は幸せを噛み締めながら、可能な限り、この関係が長く続くことを祈った。