イヤフォンをしたドンホに、手で作ったピストルを向けられた。
銃口はゆっくりと僕を指し、次の瞬間、はね上がる。
『ばーん!』
その動きに合わせて僕は、身体を反らし、胸を押さえた。
「や、やったな!」
ドンホはピストルを顔の横に立て、硝煙を吹いた。
『サヨナラ、ベイビー』
僕はのろのろとソファに倒れこみ、目を閉じた。
「いつか殺してやるー」
たっぷり5秒死んだフリをしてから、目を開ける。
ドンホはソファの横に立っていて、僕が身体を起こすと同時に座った。
「なんで僕撃たれたの」
隣を向いて訊ねると、ドンホはイヤフォンを片方取って差し出した。
僕は受け取って、耳にはめる。
『Show me your smile、聞いてたんだ』
聞こえてきたのは、確かにそうだった。
『コーラスの後、なぜか自殺してたなあと思って』
ライブのときに自分を撃つマネをしたことがある。
「自殺したつもりじゃなかったんだけど」
僕が答えると、ドンホは真剣に言った。
『銃で頭を撃ったら、死ぬよ』
その顔がおかしくて笑ったら、イヤフォンを引っ張って抜き取られた。
「痛っ」
耳を押さえて、眉を寄せる。
ドンホはちらりとこっちを見てから、イヤフォンを自分の耳に戻す。
僕はまた思わず笑って、横からドンホを抱きしめると、頬にキスをした。