POLKA DOTS AND MOONBEAMS ~水玉模様のドレスと月の光~ | 美肌ジャズタイム

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『ジャズをもっと身近に』をモットーに、歌とフルートで活動している日本の女性ジャズ歌手若生りえのブログ。ジャズの歌詞について語っています。

POLKA DOTS AND MOONBEAMS
~水玉模様のドレスと月の光~
1940年

作詞/ジョニー・バーク Johnny Burke
作曲/ジモー・ヴァン・ヒューゼン Jimmy Van Heusen


【トミー・ドースィー楽団とシナトラのゴールデンコンビで大ヒット】

 

この曲は、「ミスティ」や「スターダスト」ほど

有名ではないかもしれませんが、他にも負けない

なんといってもこのメロディーラインの美しさ、

そして、ロマンティックな歌詞のストーリーで、

ジャズのスタンダードとしては好んで演奏される曲です。


シナトラが組んだオーケストラとして、

ハリー・ジェームズがまず有名ですが、

その後、この曲の演奏でもおなじみの、

トロンボーン奏者でもあるトミー・ドースィーに

引き抜かれました。

 

【歌詞の内容は・・・】

 

歌詞の内容は、お読みいただければ分かるように、

物語はあるダンスパーティでの出会いから始まります。


カントリー・ダンスというのは、

厳密にはその土地に伝わるダンス

をさすようですが、ここでは、たとえば、

映画『麗しのサブリナ』でオードリー演じる

サブリナがパリから帰ってきたときに、

ジバンシィの有名なドレスを着て

豪邸の庭で行われているパーティに現れる、

あのシーンを想像しています。

 

水玉模様のドレスを着た彼女と

ダンスの時にあやまってぶつかり、

そこから恋が始まり結婚まで至るという

なんともドラマティックなストーリー。

 

ポルカドッツが水玉模様のドレスをさし、

ツンと上を向いたお鼻が

チャームポイントの彼女。

 

パグ・ノーズ(pugーnosed)とは

直訳すると獅子鼻なんだけど、

これだと恋が始まらないので(笑)

このように訳させていただきました。

 

ちなみにこの主人公の男性は、

超イケメンでエリートで自信満々な人、

というよりも。

 

どちらかというと、

普段はすごく弱気なのに、

愛する人が危険にさらされると、

とたんに秘密の力を発揮して

悪とたたかって倒す、スパイダーマンとか、

バック・トゥ・ザ・フューチャーの主人公のお父さん、

とか(笑)そんな男性を想像してしまうのは

私だけでしょうか!!

 

何かの話で聞いたのですが、

ある日、電車の中で1つの座席が空いて、

すっとその席へ2人同時に座ってしまい、

まさにドシンとぶつかったんですね。

そして、なんとそれがきっかけで

ご結婚されたんだとか!

 

「え~!うそ~!それで結婚にまで発展したの?」

というような話は聞きますが、

この曲のヴァースから読むと、

そんなエピソードも思い出しました。

 

【めでたし。めでたし。】

 

『EVER AFTER』という歌詞が出てきますが、

『それから二人はずっと仲良く暮らしましたとさ。

めでたし、めでたし。』と同じ意味なんですって!

 

ひょんな出会いから幸せな図を思い出させる

素敵な歌詞の世界です。

 

あと、2010年6月1日北海道・大通公園で撮影した

写真を以前頂いたので

「ライラックの花」の写真を載せました!!

 

そんな最後のシーンに出てくるライラック。
紫色で美しいですねぇ!!


ハワイでみたジャカランダも紫で綺麗だったけど。

 

【誰を聴く?】


でも、男性の歌詞なのに、いい曲だからでしょう。

女性にも良く歌われます。

 

ナット・キング・コールやシナトラが有名ですが、

ナット・キング・コールと、実は

よく声が似ていると言われている

ピアノの名手オスカー・ピーターソンの

弾き語りも素敵です。


女性ではサラ・ヴォーンなんか、有名でしょうか。

 

それでは、素敵な物語の世界へ、どうぞっ!!

 

 

《英語歌詞》

(VERSE)

Would you care to hear the strangest story?

At least it may be strange to you

If you saw it in a moving picture

You would say it couldn’t be true

(CHORUS)

A country dance was being held in a garden 

I felt a bump and heard an “Oh! , Beg your pardon”

Suddenly I saw Polka dots and moonbeams

All around a pugnosed dream

 

The music started and was I the perplexed one

I held my breath and said “May I have the next one?”

In my frightened arms Polka dots and moonbeams

Sparkled on a pugnosed dream


There were questions in the eyes of other dancers

As we floated over the floor

There were questions but my heart knew all the answers

And perhaps a few things more


Now in a cottage built of lilacs and laughter

I know the meaning of the words “ Ever After”

And I’ll always see Polka dots and moonbeams

When I kissed the pugnosed dream

 

 

オスカー・ピーターソンの弾き語り

《若生りえ・解説》

(ヴァース)

ねぇねぇ、ちょっとびっくりするような

ウソのような、この本当の話を聞いてくれるかな?

たぶんここまで変わってる、珍しい話は

君もあまり聞いたことがないと思うよ

でももし、映画か何かで見たことがあるなら

「こんな話、あるわけないよ!」って言うかもしれないね・・・

 

(コーラス)

その庭では カントリー・ダンスが開かれていたんだ

僕はそこで ドシンッ!と、誰かとぶつかってしまって

するとすぐに「あら、ごめんなさい!!」という声が聞こえてきた

ふとその声の主のほうを見ると、そこには

『ちょっと上を向いたカワイイお鼻の女の子』が

水玉模様のドレスを着ていて

月の光の中でとっても輝いていたんだ


次の曲がはじまると、僕はもうすっかりその娘にドキドキしちゃって

でも、呼吸を整えて、思い切って彼女に言ったんだ

「この次、一曲僕と踊ってくれませんか?」ってね

そうしたら驚いたことに

その『ちょっと上を向いたカワイイお鼻の女の子』が

僕の腕の中に入ってきて そして次の瞬間

パチパチ!!っと、火花が舞い散って

水玉模様のドレスに月の光があたって

僕らはその輝きに包まれたんだ


二人であたりを漂うように踊っていると

他の踊っている人たちはみんな

「おいおい!あの二人、一体どうなっちゃっているんだよ!!」

という目で僕らを見ていたんだ

しかもこの後、僕が彼女に告白でもするんじゃないか?って感じでね

でも、もうその時すでに僕の心の中では

多分、もっと先の「二人の未来」のことも予測できていたんだ

そう、つまり・・・


今では、二人でライラックの花々と笑いに包まれた小さな家にいて

昔子供の頃に読んだ物語の最後に締めくくられていた

「そして二人はずっと幸せに暮らしましたとさ、めでたし、めでたし」

という言葉の意味を心からかみしめているんだ

だからこれから先も

その『ちょっと上を向いたカワイイお鼻の女の子』と

キスをするときは

あの日、あの水玉模様のドレスを着て

月の光の中で輝いていた君を

僕はいつも思い出すんだろうな・・・