早春に聴きたくなるジャズ | 美肌ジャズタイム

美肌ジャズタイム

『ジャズをもっと身近に』をモットーに、歌とフルートで活動している日本の女性ジャズ歌手若生りえのブログ。ジャズの歌詞について語っています。

電球ここでの解釈は、私、若生りえがあくまでも歌手として歌わせて頂く際の、一つの歌詞の世界であり「こんな気持ちで歌わせて頂いております」という一つの意思表示です。この世界の認識を押し付けたりするものでもありません。あくまでもご参考までに。また文章をお使いになる場合はお手数ですが、ひと言ブログへコメント頂ければ幸いですSAYUうふふ

みなさぁ~ん!こんばんはぁ!
今夜はちょっと久々にジャズ話を。
最後までお付き合い頂ければ幸いです笑

それにしてもなんだか年が明けて
寒さが一気に増しましたね。
お体ご自愛くださいね!
昨日のようなすこし曇りがちな
グレイの空を見ると、
この曲を思い出します。

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エリザベステイラーとリチャード・バートン主演、
映画『いそしぎのテーマ~The shadow of your smile』

これはシギではなく、サギ!雰囲気で(笑)

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映画はいまだにDVD化されていないという、
なんで~!と思うような名画。

ここからは旧ブログの再編集でお届けします。

1965年
作詞/ポール・フランシス・ウェブスター Paul Francis Webster
作曲/ジョニー・マンデル Johnny Mandel

【ある早春の日の出来事と、愛の思い出
どなたでも、一度はテレビやレストランやロビーなどで
耳にしたことがある、このメロディーと歌・・・。

歌詞自体はそんなに長くなく、大体の意味は
どなたでもすぐに理解できると思うのですが、
でも、映画のあらすじを追っていくと、やはり、
邦題の『いそしぎ』、『春』、『笑顔の面影』というのが
この歌を深く知るためのキー・ポイントになりそうです。

イソシギというのは、美しいグレーと白の羽に、
黒くクリッとした可愛らしい目の、海辺の鳥で、
20センチ位の鳥なんだそうです。
写真で観ると、我が家の「オカメインコ」の
全長30センチのメイ太郎さんよりも、
体重はありそう(笑)!

でも、水鳥独特の羽の艶がとっても美しいです。

【注意!「結末付の映画のあらすじ」をちょっとご紹介】
DVD化されていないので、ちょっとあらすじを
簡単にご紹介させていただきます。


でも、結末が書いてありますので、
ご注意くださいね!


ローラ;エリザベス・テイラー
エドワード;リチャード・バートン

美しいシングルマザーで画家の『ローラ』は、
9歳の息子と一緒に、カリフォルニアの
美しい海岸近くに住んでいる。

自己流の教育方針に自信を持っていた彼女だが、
息子が事件を起こし、それがきっかけで、
周囲の声もあり息子はミッションスクールに入れられ、
その時、その学校の校長で牧師のエドワードに出会う。

最初は全く正反対の意見を持ち、彼女も学校の方針に
猛反発していたが、ある日、エドワードが
子供の荷物を取りに彼女の家を訪れたときに、
骨の折れたイソシギを介抱するする彼女の姿に
エドワードは恋をし、やがて、二人は恋に落ちる。

しかし、ほどなく夫の様子の変化に疑問を抱いていた妻に、
エドワード自身が、ローラとの関係を告白してしまう。

その後も、ローラが学校のステンドグラス制作を
仕事として依頼されたことや、ローラの芸術家仲間の
ボーイフレンドが微妙に絡んだりと、その都度、
色々と問題が起きる。そして、最後には、
牧師であるエドワードが目を覚まし、校長を辞職して、
僻地への巡礼をすることを決意する。

一方、学園生活に慣れた息子はその土地を離れたがらず、
ローラが介抱していたイソシギも傷が癒えて、
元気に飛び回る。その姿が、エドワードと重なる。

『傷が癒えれば、私にはもう、用はないのだ・・・。』

そして、いよいよエドワードが巡礼の旅に出る。
その途中で、彼は車を降り、丘の上から浜辺を見渡すと、
そこには、浜辺でキャンバスに向かうローラの姿が・・・。

しかし、やがて彼女がエドワードの気配に気が付いたその時には、
もう、背を向けて去っていく、彼の後姿だけだった・・・。

【この歌詞の読みどころ】
「Our wistful little star was far too high」の「wistful」は、
代表的な「もの欲しげな」などの意味の他に、
『諦めきれない』、『切ない気持ちの』、
『深い思い(切々の情)をこめた』といった意味があり、
この映画のストーリーの、妻子ある男性とシングルマザーの、
「叶わぬ恋」をよく表している言葉なのだと分かります

ところで、この主人公のローラとエドワードを演じた二人が、
実生活で結婚した後、初めて共演した映画で、
映画の内容そのものは、賛否両論に
分かれるところもあるようですが、この主題歌だけは、
舞台になった美しい海岸の情景と重なり、
いつまでも人々の心に残る、ジョニー・マンデルらしい名曲です

映画では、ジャック・シェルドンという、トランペット奏者の
ソロで有名ですが、その印象的なメロディーに詞がつけられ、
ジョニー・マンデルのアレンジ、指揮により、
トニー・ベネットが歌を吹き込んだことがきっかけで、
その後、多くの歌手に歌われるようになりました。

そしてトニー・ベネットのレコードは、
その年の、音楽の賞で有名な「グラミー賞」、そして、
映画の賞で有名なアカデミー賞でも、主題歌賞を受賞しました!!

【さぁ!!誰を聴く?】
まずはトニー・ベネット、そして次に有名なのは、
ボサノヴァのアストラッド・ジルベルト、
バーブラ・ストライザンド、アンディ・ウィリアムス、
ペリー・コモ、その他にも、もちろんフランク・シナトラ、
ヴィック・ダモン、サリナ・ジョーンズ、マーヴィン・ゲイ、
サラ・ヴォーン、カーメン・マクレイ、
スティーヴィー・ワンダーも!!

インストものでは、ウェス・モンゴメリー、ビル・エヴァンス、
大好きなバッキー・ピザレリのギター1本!!
あと、エロール・ガーナのピアノも

一番のオススメは、サミー・デイヴィス・ジュニアが、
ローリンド・アルメイダのギター1本で歌う「いそしぎ」が、
私は大好きです

それでは、みなさんも、
お気に入りを見つけてくださいね!

今日はアン・バートンで!


ある日、僕らは砂浜沿いを歩いていた・・・
それは、ある早春の日の出来事
君は羽を痛めた1羽のイソシギの傷を治そうと
抱き上げたね

今も、そしてこれからも
長く、孤独な人生の中で
僕は毎日のように思い出すだろう
海辺に響き渡るイソシギのさえずりを・・・
そして、あの、笑顔の面影を・・・

君が去ってからも、君の笑顔の面影が
僕のすべての夢を
希望の光で照らしてくれる

僕のこの目をしっかりと見つめておくれ
そして、この思いをどうかわかって欲しい
君の輝きこそ、僕の心奪うすべて・・・

僕らの願いは、あの小さく輝く星のように
はるかに遠く、あまりにも高すぎた
1粒の涙が、君のくちびるに流れ落ちてキスし
そして僕も、君のそのくちびるに別れのキスをした

今でも、あの春を思い出すと
君との愛の思い出がよみがえり
僕の心を喜びで満たしてくれる
そして僕は思い出すんだ
君の笑顔の、あの面影を・・・