「世間の」セクシャルハラスメント、への対応策 | ペーパー社会福祉士のうたかた日記

ペーパー社会福祉士のうたかた日記

社会福祉士資格をとるまでと、とったあと+α。浮世のつれづれ、吹く風まかせの日々。

試験問題でのハラスメントといえば、
あんまりおもしろくもない出題が、
第26回問題125でちらっと出た程度。

 

ハラスメントの基本知識は、
・あらゆる範囲の関係者全員が対象
・立場や性別、場所の例外はない

主観とはいえ被害があれば認定、

ハラスメントはハラスメントである。

 

これは社会福祉士試験じゃなくても、
社会人なら常識として知っとくこと。

 

で、

 

わしの会社には社員啓蒙活動があり、
各界から講師を招聘しての講演会、
研修などが随時、開催されている。

 

今月のお題はセクシャルハラスメント。
幸いにも喫緊の解決課題ではなくて、
催行最小人数に達するかどうか、
あやういところで、この件が起きた。

 

某大手企業の中止CM(上司部下編)。

男性上司が、女性部下に向かって、
「頑張りが顔に出ているうちは、
プロじゃないぞ~」と指摘すると、

 

女性部下は発憤、素顔からメイクへ、
バッチリキメてドギモ脱いたるゼ!
男性上司、見てボーゼン…という、
ごく普通の伝わりやすいストーリー。

 

企業のCMに非難批判が殺到し炎上、
中止になることはめずらしくはない。
あ~やっちゃったねという感想だが、
今回の件では社内全域が青ざめた。

 

というのは、
この化粧品のCMのどこいらあたりが、
セクシャルハラスメントに該当するか、
はっきりわかる表現ではなかったこと、

 

もっといえば、
そう感じる人とそうでない人といて、
はっきり2極に分かれていたからだ。

 

これがもし、
誰がどっから見ても不愉快だろーに、
オンエア前に社内で気づけよっていう、
あからさまな差別や蔑視があれば、
金銭的損害は度外視で中止も当然だが、

 

誰がどこで傷ついて、不快になるのか、
どこが悪いんだかよくわかんないけど、
騒がれたから引っ込めたというのでは、
どこの社も同じ目に遭う可能性がある。

 

まったく同じCMを流しているのに、
絶対に断じて許せないという人から、
何が悪いのかわからない人までいる。

 

実際、何も知らずにCMを見た私も、
これはハラスメントだということは、
まったく気づかないで過ごしていた。

 

問題になってから、逐一説明されて、
やっと、ああそうか、そういうことか。

 

女性に疲れた顔をするなというのは
パワーハラスメントにあたる、
女性の外見に対してコメントするのは
セクシャルハラスメントにあたる。

 

と、頭ではなんとか理解できたけど、
不快、不愉快にまでは至らなかった。

 

わしの感覚はわりとスタンダードで、
偏差値50くらいの自負はあったのに、
これに関していえば、劣等生の鈍感。

 

成果物を市中に流通させる身として、
こいつは由々しき事態やおまへんか。

 

と、みんながそう思ったみたいで、
職場のハラスメントもさることながら、
「世間の」考えるハラスメントに、

もしも該当してしまい、被弾でもしたら、
業界的にも、家計的にも、死活問題。

 

セクシャルハラスメント研修会場は、
閑古鳥から一転、立ち見も出るという
人事が泣いて喜ぶ盛況となりました。

 

が、

 

講師案内のリーフレットを見たとき、

"女性イキイキみらい財団"的な名称、
ナントカ大学非常勤講師的な肩書き、
女学校時代の威光を背負った的な風貌、
よぎったイヤな予感は全面的に的中。

 

1時間30分もの女史の講義の大半が、
おそらく、男女雇用機会均等法以降、
改訂していないだろう資料の棒読み。

 

そこでのセクシャルハラスメントは、
女性部下の肩をもみ、お酌を強制し、
結婚や出産を急かしたり揶揄したり、
デブ、ブス、ババアと怒鳴りつける。

 

会議室に広がる失笑と失望のさざ波。
いつの時代の判例持ってきたんだよ…

 

この21世紀の平成も四半世紀を過ぎて、
ハラスメントという概念が浸透して、
ある程度の周知と合意はできつつある。

 

だけど、人の価値観は移り変わるから、
判断に困るようなときの判断基準とか、
判断に合意が得られない場合の対処法、
そういうのが聞きたくて来てんのに…

 

機会均等女史が力強く述べた結論とは、
「職場のハラスメントの防止策は、
風通しのよいコミュニケーション!」w

 

そんな自発的自浄作用が機能すれば、
ハラスメントなんか起こらないって。
できないから問題が起きるんだよー

 

と、ただでさえ忙殺されておるのに、
貴重な時間をこんなんで終わった…

もんのすごい後悔してしまったよね。

 

ハラスメントのよく知られた定義で、
「相手が不快に思えば…」はあるけど、
これだけ言ったんじゃだめなんで、
ハラスメントの問題はもっと奥深い。

 

というのは、

何を不快に感じるかっていうのは、
生育歴によって個人差が甚だしい。
似たようなことは感じたとしても、
まったく同じ、ということは難しい。

 

これは良い、これは嫌だというのは、
倫理、道徳、自尊心の範疇だから、
理屈で説明がつくことじゃないし、

 

もし、説明がついたとしても、
今回の私がまさにそうだったように、
「理解はできても共感はできない」。

 

なんで?こんくらいいいじゃない、
何が悪いの、どこがだめなの、
神経質過ぎじゃない?自意識過剰、

 

という大多数とか全体の意志が、
新しい被害者を生むかもしれないし、
加害者だと決めつけられる、という、
新しい被害者を生むかもしれない。

 

今回の一件の感想として言えば、

個人の単位でも、企業の単位でも、
社会全体としても、なんというか、
ハラスメントが独り歩きして迷走、
"新しい暴力"みたいになっている。

 

その一方で、

業界も業界で、あまりにも閉鎖的で、
外から見たらどう見えるかってこと、

抜け落ちたり忘れたりしているもの。

 

風通しのよいコミュニケーションは、
個人と個人は言うまでもないが、
業界と一般社会の意思の疎通も、
本気ではからないと危ないと思う。

 

感情的な批判を受けたとしても、
社の意図を説明し返すくらいの、
気概と自律をもっていいんでは。

 

じゃないと、
心配なことはしなさんな的な、
消極的で前例重視みたいな広告が
とりあえずよしとされてしまう。

 

それじゃつまんないじゃないかー

 

消費者の感情はもちろん大事だし、
尊重すべきだし、指針にもするけど、
無条件に受け入れるばかりでは、
お互いのためになんないよと思う。

 

ほんと、ためになんないよー

過剰で見当違いの自衛って、

無駄な作業が増えるだけだよー

 

このことから食ったとばっちりは、
全部署、全書籍、全刊行物に対して、
イラスト・画像見直しの大号令発令w

 

たとえば、
男の子が「わかった!」といい、
女の子が「すごいわね!」ってのは、
男尊女卑にあたる懸念があると…

 

そんなんだったら昔のマンガなんか、
ほとんど絶版になっちゃうじゃんー
これはいいのかよーこれはよーっっ

 

 

もうねーけっこうたいへんですよ、
見えない敵と戦うようなものです。

 

つうことで、今週もなんとか、
仕事と両立させていきたいなとw
気長に更新をお待ちいただければ、
嬉しく心強く思います。


***********
ricorico1214、予想外の余波に忙殺中叫び
よかったら、"いいね!"してね。

ペタしてね