ある日の社内の雑談。川崎の事件。
>でもさ~殺された子だって
>生活保護受けてるウチの子でしょ~
>どっちの子も普通じゃないわよ~
周りでウンウンと頷くオバサンたち。
…
震災。
>あ、でも私ダメかも~
>津波とか畑とか、見に行くタイプだもん~
>きっと一番に死んじゃう~笑
どっと起きる笑い声。
…
松本サリン事件。
>サリンまいた人、ほらいるじゃない!
>最初に疑われた男の人!
>私なんか絶対あの人だと思ってたわ
>雰囲気、怪しかったもんね~
>そうそう、私も私も!思ってた~
>疑われる人にも原因はあるのよ~
地下鉄サリン事件。
>よかったわあ~
>私そのとき働いてなかったから~
>だけどPTSDなんて言っちゃって
>もう20年もたってんだからさ~
>いい加減立ち直れって話よね~
>どんだけ繊細アピールすんのよ~
どっと起きる笑い声。
介護。
>姑が介護なんかになっちゃったら
>施設にでも放り込んでおくわね~
>でも施設って虐待されるんでしょ?
>そ~ね~、だけど、
>私にされるよりマシじゃな~い?
どっと起きる笑い声。
…
…
…
…
不登校、DV、依存症、ひきこもり、ニート、
認知症、刑務所、薬物、ホームレス、…
…
…
…
事件や事故が自分の世界の外で起きた
テレビという箱の中のことだと思うと
人はとても無神経に無責任になる
社会福祉に縁がある人は自業自得で
そうならない私とは違うんだと思えば
気は楽だろう
だけどそうじゃない
望むと望まないの選択肢は自分にない
ある日を境に突然やってくるものだ
そうなったとき同じことが言えるのか
必要以上に気を遣い過ぎたり
緘口令を敷こうってわけじゃない
わけじゃないけど 少なくとも
その言葉が聞こえるエリアの中には
当事者がいる、かもしれないこと
"これを言ったら傷つく人がいる"と
いつも心のどこかにとめておいて
言っていいことか悪いことかどうか
口から飛び出す前によく考えること
他人の誰に強いるわけではなくて
私はそうしよう
知らないということはある意味幸せだ
またぎこしてこちら側に来ることは
明日かもしれないのに
出自や境遇、環境は自分では選べない
否応なしに向こうからやってきて
逃げることも避けることもできないのだ
>あーあ、どうしよう~
>ダンナの家系、がん家系なのよね~
>がんなんかになったら困るわ~
>死ぬよりつらいらしいじゃない~
>そうそう!
>とても見てらんないって聞くわよね~
>私、きっと見てられない派だわ~
その"死ぬよりつらい人"を私は看取った
見てられないも何もない
ただ見ていることしかできなかった
幸せな人たち
幸せな人たちだと思えた
"健康で何の屈託もない日々"は
常に「今のところは」という枕がつく
それを私は肝に銘じておこう
-----------------
川崎中1殺害事件
加害少年3人家裁送致 17歳2名は傷害致死疑い
東日本大震災(平成27年3月1日現在_総務省)
死者19,225人
行方不明者2,614人
負傷者6,219人
避難者228,863人
家屋全壊127,830棟
家屋半壊275,807棟
松本サリン事件
死者8人
重軽傷者660人
地下鉄サリン事件
死者13人
総被害者数6571人(警察庁把握分)
要介護者数(平成26年12月_厚生労働省)
介護サービス受給者446万1700人
死因簡単分類別死亡者数(平成25年_厚生労働省)
悪性新生物364,872人
傷病及び外因71,767人
自殺26,063人
-----------------
ricorico1214