今年も残すところ3週間程となり、

一年の締めくくりを迎え、気持ちもどこか引き締まります。

 

今週末、そして来週末は大阪レッスンへ伺います。

大阪クラスの皆さまとお会いできますこと、楽しみにしていますね。

 

 

ブログでも「色彩」については折に触れていますが

私にとってものづくりをする上で
常に大切にしている要素の一つに「色彩」があります。

 

デザイン性、バランス、そして色彩

 

この3要素、どれが欠けても十分に納得のできる作品に仕上がりません。

 

 

こちらの写真は、2011年にロンドンを訪れ撮影した一枚。

バレンタインシーズンを迎えた1月下旬、

ティファニー・ロンドン店のウィンドーディスプレイです。
 

 

 

 

2011年冬、ユーロスター鉄道でパリからロンドンへ向かいました。

限られたロンドンでの滞在中、
地下鉄を乗り継ぎ、多くの場所を訪れました。
※ロンドンの地下鉄も日本のスイカのようなカードがあり、とても便利。

帰国時にカードを返還し、デポジットの金額が戻るシステムとなっています。

 

ボンドストリートに、

王室御用達の有名な老舗チョコレートショップがあると聞き、

バレンタインシーズンの店舗、ウィンドーディスプレイ、ラッピング等を
見るために訪ねました。

その同じ通りにショップを構えていたのが、ティファニー。

 

パリからロンドン...
多くの洗練された色彩や配色を見てきた旅の後半、

通りの向うで目に映るティファニーのシンプルで品格ある佇まい。

 

ティファニーのブルーボックスとホワイトのサテンリボン

シンプルゆえの美しさは遠目にも際立ちます。


Simple  is beautiful.


色彩あふれるロンドンの街で

洗練されたティファニーの色彩美が放つ空間。

 

先週、一本の映画を鑑賞しました。
「Crazy about TIFFANY'S ティファニー・ニューヨーク五番街の秘密」

脳裏をよぎったのは、

5年前、ロンドンで感じたあのシンプルな美しさ。

 

映画の中でも触れている
ティファニーのカンパニーカラー「ティファニーブルー」。

今日は、こちらについて少しお話を続けてみたいと思います。


 

私たちが日常の中で何気なく言葉にしたり、
目にする事柄や事象一つ一つには

実はそれぞれの辿ってきた歴史や意味が込められているものです。

 

「ティファニーブルー」この一つの色彩についても

そこには誕生までの秘話があり、ティファニー社のスピリットが込められています。

 

ティファニーのブルーボックスの色彩、
「ティファニーブルー」。

もともとは、コマドリの卵の色をイメージしていると言われています。

コマドリはイギリスの国鳥となっていますが
その卵は、ターコイズブルーとターコイズグリーンを混色したような
とても鮮やかな色合いをしています。

 

イギリスでは古くから正式文書にこのコマドリの卵の色を使っていた慣習があり、

「高潔さ」を象徴するカラーとも言われてきたそうです。

そこで、ティファニーは自社のジュエリーに込めた
スタイルと品格をイメージする色彩として

アメリカのPANTONEパントン社へ調合を特注依頼し、
生まれた色が「ティファニーブルー」。
 

PANTONE社の色彩は全て番号で識別されますが

「ティファニーブルー」には、
特別にティファニー創業年の1837の番号が付けられているのだとか。
 

さらに、「ティファニーブルー」の色彩そのものも商標登録をされ

以来、色彩の調合等はシークレットとして厳格に守られているそうです。

似た色はつくることができたとしても

「ティファニーブルー」は、世界でたった一つ。

 

こうして生まれ、厳格なルールのもとで守り続けられた一つの色彩。


長い時を経て

今ではティファニーという企業や理念を象徴する色彩
カンパニーカラーそのものとなっています。

 

そして、ティファニーのブルーボックスについては

ショップでジュエリーを購入したお客様だけにお渡しする
ラッピングボックスとしてのみ使用し、

他への持ち出しや利用等は固く禁止されているそうです。

 

ジュエリーとともに

ティファニーのブルーボックスのラッピングスタイルそのものも

スペシャルな位置づけとして多くの人に認知されることとなった背景には

こうした綿密なプランディングと
長きに渡り揺らぐことなく
厳格に守り続けてきたコンセプトが礎となっているのですね。

最後にリボンのことを...

ティファニーでは、白いサテンリボンの蝶結びは

お客様がほどきやすいよう強すぎず、また弱すぎることもなく、
程よい結びの強さを心掛けていると聞いたことがあります。


リボンをほどき、ブルーボックスを開けた瞬間、

ジュエリーに心ときめく女性...
そんな一連のシーンを想定して。

 

こうしたお客様への心配りこそが、

今も尚、伝統を継ぐブランド力の原点のように感じます。
人と人とをつなぐ温もり...。

 

映画の中では、

オードリー・ヘップバーン主演

「Break fast at TIFFANY'S ティファニーで朝食を」(1961年)との

秘話等も語られています。

 

そして、ティファニーのものづくりそのものを支える

熟練したジュエリー職人のお話等も。

 

映画では全体を通して

ティファニー社の綿密なプランディング力の高さが伝わりました。

 

「スピリット」を持つこと。
 

そして、そこへ到達するためには

何が必要で、何をするべきなのか。

 

追求していくこと。

 

改めて、自分へも問いかけた時間でした。

 


MIKA MUTO
L'atelier du ruban
 

 

オフィシャルHP http://www.latelier-du-ruban.com/ 
リボンブティック 
http://www.onlineshop-ruban.com/


 

ブログ村ランキング 参加中です
ブログランキング・にほんブログ村へ
 


インスタグラムはこちらから  更新中です