尋坂はぶち切れ、機関銃を乱射した。

「佑! そこの女連れてはよ隠れろ!」

「わかった!」

佑作は小中学校時代の同級生、麻生亮に従い、ホノカを連れ身を隠した。

「てめぇら全員皆殺しだ~!! ヒヤァハハハハ!」

「まったく、しゃーないやっちゃなー」

亮はフランキ・スパス12を尋坂に向かって2発発砲した。
その銃弾は尋坂の両足に命中した。

「あ゙あ゙あ゙! ぶっ殺すぶっ殺すぶっ殺す!!!!!」

完全に狂った尋坂は、機関銃を亮に向かって乱射した。
亮は常に冷静になり、その弾丸をかわしていた。そして亮は横に移動し、尋坂に足掛けをした。

「ぐぶっ!」

尋坂はその場に転倒し、顎を強打した。

「ジ・エンドや」

亮はフランキ・スパス12を尋坂の後頭部に銃口をつけた。

「やめぇ! 助けて! 俺にはまだやりたいことがあぁぁぁぁ!!」

「おっちゃん、人無差別に撃っといてそりゃあないんちゃうか?
 あの世で反省しぃや!」

亮はトリガーを引き、銃弾が尋坂の後頭部を貫通した。
尋坂の周りは赤い絨毯のように、赤く染まった。

「大丈夫かぁ? 佑」

亮は微笑みながら、嘗ての同級生であり、友の佑作に言った。

「お前も参加してたのか・・・・」

嘗ての同級生と会うのは嬉しいことだが、この状況で合うのはあまり嬉しくはない。
殺し合いに参加しているから。

「そういや久しぶりやな~佑
 高校以来か~」

「こんな状況で合ってもあんま嬉しくはないな
 もっと違う形で再開したかったよ」

亮は床に座り込み、胡座。

「まぁ、ちょいと座れや
 伝えておきたいことがあるんや」

佑作は座り、ホノカも座った。
そして亮は喋りだす。

「この大会の参加者で要注意人物がいるんや」

「要注意人物?」

「そや、黒野歩霧と麻寺暫って言う奴や
あの二人には気をつけろ、絶対に惨殺されちまうで」

佑作は亮の話を聞く。

「黒野歩霧、今大会最強の女、20歳。武器は鉈。
 性格は冷酷非情や、まるで悪魔のような女や」

「そんなにヤバイ奴なのか?」

「そうや、あの女からは異常な殺気を感じられる
 そして麻寺暫、今大会最年少の青年。武器はピコピコハンマー」

佑作は疑問が浮かび、亮に言った。

「ピコピコハンマーが武器な奴が要注意人物なのか?」

「ちゃう、最初に死んだ安堂和哉って奴いたやろ、あいつの武器、小型ナイフを奪い殺したんや
 麻寺は他の参加者の武器を奪いとって殺しまくってる」

佑作は、自分より年下の青年が人を殺すなんて・・・・・と思っていた。
しかも今大会最強だなんて。

 
新しい朝が来た 希望の朝だ

またスピーカからラジオ体操の歌が流れた。

「またまた二名様が死んじゃいましたぁ~♪
 伊藤尋坂さん、至近距離で撃たれ射殺。咲森慶さん、後頭部に数百回ナイフで刺され刺殺ぅ~。
 以上で~すぅ! それでは皆さん~頑張ってくださいねぇ~♪」

「咲森って奴殺したのって、まさか・・・・」

「麻寺やな」

あんな二十歳にも満たしていない青年が数百回も・・・・惨いことだ。
すると亮は立ち上がり、尋坂の武器、機関銃とリュックを手に取った。
そして言う。

「俺と一緒に行動せんか?」

唐突に行動しないかといわれた。三人で行動すれば、生存率は上がるが・・・・。
この状況で、信じるという事を忘れたのか? 俺は最低だ。
人を信じる事すら出来なくなったのか・・・・・・。
俺は、友を信じたい。




一日目終了。




エリア7闇黒道。

「――――――」

今大会最年少、麻寺暫は今、闇黒道にいた。

「・・・・・・・」

無表情で無口、感情欠落者のような外見である彼。
右手にはナイフ、左手にボウガン、両方とも殺して奪ったものだった。
彼の視界に入ったら、それは死を意味する。

この部屋は薄暗く、あまりよく見えない。音が頼りである。
パキッと枝を折る音が聞こえる。

「・・・・・・・・」

動揺せず、辺りを見渡す。玉響、沈黙が続いた。
暫は集中し、耳をすませる。
ほんの小さな足音が聞こえた。

「・・・・・・・・」

暫はナイフを強く握り、疾走する。
音だけを頼りに、聞こえてきた足音方面へと疾走する。
なにかが立ち上がったのが見えた。

「・・・・・・・・・」

そのなにかの喉元を締め上げた。

「グッ!」

それは明らかに人間の男であった。
暫は両親指をその男の喉仏を強く押した。
かなり苦しそうにしており、かなり藻掻いている。
そしてその男を締め上げるのを止め、ナイフを首筋に当てる。

「やめろ! 助けて! 助けてぇ!!」

男言うことを無視し、暫はナイフを首元に突き刺した。
さっきまで五月蝿く助けを求めていた声は一瞬にして、消えた。
だが、暫はそれでもナイフを抜かず、首を切断した。

「・・・・・・・・・」

男の武器のフォークと食料の入ったリュックを奪い、その場を離れる。
冷酷で残虐な性格の青年、麻寺暫は次の獲物を探す。




新しい朝が来た 希望の朝だ


「一名様死亡しました~♪
 九重信吾さん、首を刺され切断されて刺殺ぅ~♪」

暫が無残に惨殺した九重信吾の名前が放送された。

そして、二日目が始まった―――