rhythmagic presents
Crawl Girl Wave 2017
2017/2/5(sun)17:00 SHINJUKU SAMURAI
http://live-samurai.jp/
前売・予約 2,000円+ドリンク(予約は各バンドまでお願いします)

出演
nao rhythmagic
with
Various Artists
Valerie
Kyoko
くろわっさん
Say 麺’s
千早青
Fantasista

rhythmagicが十数年振りにライブイベントを催します!
「Crawl Girl Wave」は十数年前に当時のリズマジが拠点としていた新宿ヘッドパワーで隔月で展開していたライブイベントのタイトルです。当時、音楽的に共通項を感じられない面子との通常ブッキングに辟易して、自分達が同志と思うミュージシャン達を誘うことで始めたイベントでした。出演アーティストの音源を収録したオムニバスアルバムを来場者にプレゼントするのも売りにしていたものです。今回、オムニバスアルバムのプレゼントはありませんが、リズマジが愛する同志たちが集結してくれるほか、ここ数年の新たな出会いもまた力を貸してくれます。5時間以上にわたる濃密なポップミュージックミーティング。新宿SAMURAIとのコラボレーションによりお届けします。

 

 

今回のリズマジは00-02年に活動していたnao rhythmagicが一夜限りの再結成。北村和孝(vo,key,g)、伊藤聖一(b,g)、黒崎奈緒(vo)、松本伊織(prog,maniplate)のオリジナルメンバーに加えて、清野裕司(g)、田中billy栄一(ds)という強力な布陣で、アコースティックセット、生バンドセットの両方を披露します。主催者権限ということでちょっぴり長めの演奏時間でトリを飾ります。
http://rhythmagic.tumblr.com/

 

 

ここ数年、仲良くしていただいている日本ポップ屋協同組合さんとのイベントが新たな出会いを生みました。そのイベントで出会ったVarious Artistsは、ラテンミュージックを加味した音楽性でとっても刺激的だったのです。その洒落たバンド名のセンスもさることながら、Mainyの伸びやかな歌声が印象に残ります。女性ボーカルポップお好きな方に自信持ってオススメします。
http://variart.webcrow.jp/

 

 

Valerieはshota maruyama(vo)、toru sugiyama(key)によるバンドで、この2人はリズマジとの付き合いも非常に長いです。ニューウェイヴに根ざした音楽性は唯一無二、しかも常に先駆性を伴って再生をし続けているようなクオリティ。マルヤマさんとはヘッドパワーの対バンで知り合ったのですが、当時彼はパジャパディで活躍していました。ここ数年は艶やかな歌声を再び聴かせてくれています。時代新作CD「second story」発表しました。
http://ameblo.jp/valerie-shota/

 

 

Classical Air時代からの付き合いであるKyokoさん。北村は彼女の深みのあるソウルフルな歌声に惚れて当時からその動向を注視してきました。ソロ転身後はピアノの弾き語りで活動したり、様々なセッションやユニットで様々な歌を紡いできています。近年は音楽活動を休止していたようですが、今回リズマジが久々にイベントをやるということで、ピアニストを擁して歌姫がステージに立ってくれます!

リズマジイベントではBLANCAで何度と共演してくれていたベーシスト川辺さんの現在のバンドがくろわっさん。80年代の音楽文化、楽器文化を語りあえる同士と久々に共演です。アコースティックから生バンドまで様々なプレイをし続けてきた猛者なのですが、なんと実娘さんとのバンドということでどんな演奏が披露されるのかが楽しみ!

リズマジのオリジナルドラマーでもある小林智也ですが、近年はCASIOPEAのカバーバンドも展開してきました。実は今回久々のイベント、一緒に対バンできる催しはできないものか?という数年前から話していたことが契機となっています。Say 麺’sというバンド名は智也くんの実家が製麺所であることが由縁。イベント面子内、唯一のインストバンドです。

 

 

シンガーソングライターとして、コンポーザーとして、そしてこれまで女性シンガーソングライターをフィーチャーした数々のイベントを主催するなど、精力的な活動を展開してきている千早青。DTMトラックによる崇高な音世界を構築したり、アコースティックでプレイしたりと、様々な音楽形態で身を削った言葉とキャッチーなメロディによる楽曲を具現化してきました。最新アルバム『Beautiful Island』は珠玉の出来栄え。現在の千早青バンドも強力です!
http://www.geocities.jp/chihayaao/

 

 

先述のポプ協の主要スタッフであるマルチプレイヤー/ソングライター、カズミツ、ひろみ(vo)、そしてゆう(sax)によるAORテイストのポップバンドがFantasista。個々が様々な場で活躍する音楽家たちでありつつも、そのメインの場としてライブ、レコーディングで数々の名演を繰り広げてきたバンドです。洗練された音楽性と楽曲、エモーショナルでセクシーなひろみ嬢のボーカルがとにかく絶品! 皆忙しいのでなかなかライブが少ないバンドですが、リズマジイベントに登場してくれます。
http://fantasistaonline.blog.fc2.com/

 

 

リズマジイベントにおいて現時点で考えられる最強のメンツが集うと言える奇跡の一夜! こんなことはもう次いつできるわからないこともあり、たっぷりとお届けしますので是非2月5日(日)は歌舞伎町にお集まりください!

Illustration by MEGU(ALPINE BLUE MOTOR BIKE)

5年前の自分に手紙を出せたら何て書く? ブログネタ:5年前の自分に手紙を出せたら何て書く? 参加中


 5年前の僕って何やっていたんだろう? それまでやってきたバンドなりライブイベントなどがすべて頓挫して失意のどん底でもがいていたと思います。かといってそんな僕に救いがなかったわけではなくて、常に協力してくれる誰かしらがいてくれて、背中を押してくれるひともいました。が、その期待に応えられる自分がいなかった。応えようとしたけれどどうも駄目でした。なんで駄目だったか? これは今の僕にとっても難しい問題です。駄目なときは何をやっても駄目なものであっという間に時間が過ぎた感はありつつも、本当にいろんな変遷があったんだなぁとも同時に思います。

 5年前の僕と今の僕がそう人間的に成長できているとは思えません。が、5年前のあいつに手紙を書くとしたら「時間が解決する」「そのときはくるよ」ってことを言うんだと思います。あの頃の僕には見えなかったものが、徐々にうっすらと見えるようになってきて、そして今未来を見据えている自分がいる。といっても、その未来が決して薔薇色っていう確証はありません。どうなるかはわからない。今言えることは「そのときがきた」ってことだけ。でもそれでも僕にとっては大きな一歩なんですよ。活動再開ライブがやっとこさ決まりました。

~Welcome Back ポップミュージックの神髄お魅せします~
ひまわる http://www.himawaru.tv/
fortune tune(予定メンバー…カスミ:vo、billy:b、北村和孝:g,pf,cho、小林智也:ds)
http://www.myspace.com/fortunetune
BLANCA
ほか2バンド
2011/10/23(日)大塚ウェルカムバック 16:30/17:00(予定)
チケット代¥1,000+ドリンク代¥500
http://www.welcomeback.jp/
東京都豊島区南大塚3-44-11 フサカビルB1
Phone & Fax : 03-5957-5141


 開演時間など詳細はまた改めてお伝えしますがおそらく17:00スタート。最初から観ないと損するよ~という内容になりますのでできればこの日の夜はまるまるおつきあいいただけると嬉しいです。飲食もできるハコなのでゆったりと観られますし、おそらくそのまま打ち上げも会場で行なう流れになります。

 fortune tuneにとってはレコ発ライブでもあります。この5年悩みながらも録り貯めてきたものがようやくかたちとなります。進行途中のものはSOUNDCLOUDにもあがっていますので聴いてみて下さい。ま、従来通りの純度100%ポップミュージックに生命かけている姿勢には迷いはありません。
http://soundcloud.com/kazutaka-1/nightdance-demo
http://soundcloud.com/kazutaka-1/bloodylive-demo
http://soundcloud.com/kazutaka-1/hurrytosummerdvo

 さらに20分くらいしか演奏しないとかそういうんではなくて(^^;)、この日はちょっぴり多く演奏します。なので曲も多めにやりますよ。まだ内容はこれから詰めていく感じにはなりますが。新しい曲ばっかりっていうんじゃなくて、カスミ・スタンダード的なものも入れこもうかとも思っています。予定ですが。

 共演を快諾してくれたひまわる、BLANCAとも長い付き合いです。この数年怠惰なままで過ごしていた僕を見捨てずにいてくれたのに本当にひたすら感謝の一言です。単体ブッキングでもよかったんですが、できる限りいろんなかたにも再会できたらという想いで半イベント的なテイストが入るように準備しています。大塚ウェルカムバックは去年から個人的に足を運んでいたハコで、これからのリズマジのライブイベントなどを考えたときに、多くの面で理想的だなと思えたのが決定打でした。とはいえ、今回である程度数字的にも成果を出さないと次がありません。せいいっぱいの努力をしていきます。というのも、リズマジ関係のイベントっていうのはもとより、プロミュージシャンのライブ・オーガナイズみたいなものも今後は展開していきたいと思っていますので。 かつてのリズマジの和気あいあいなムードも久々に満喫していただけたらとも考えています。詳細は決定次第、いろんな場所でお伝えしてまいります。よろしくお願い致します。

 5年前の僕よ、現在の僕はようやくここまで漕ぎ着けたぜ。
音楽っていつ聴く? ブログネタ:音楽っていつ聴く? 参加中

 音楽は常に聴ける環境です。寝ているときもラジオをつけているし、幸いなことに仕事も音楽雑誌なもので聴くことに支障がないのです。大抵は山のような音資料をこまめにチェックする日々なのでありますが、でも100%仕事関係の音楽だけを聴いているとは限りません(笑)。よく職権乱用とも言われますが、僕は自分が本当に愛している音楽だけを真摯に語りたい人間であります。最近の愛聴盤といえば4月にリリースされた高野 寛さんのニューアルバム『カメレオン・ポップ』。これが素晴らしい。前作『Rainbow Magic』も久々のソロアルバムで狂喜したけれど(このツアーのときにPlayerでライブ機材取材もしましたね)、『カメレオン・ポップ』は高野さん自身でミックスまで手掛けていて、音の肌触りが今までとちょっと変わった感じでそれも含めて凄く気に入っています。



 中でも『カメレオン・ポップ』冒頭を飾る「On the Timeline」は、当時『CUE』の「I・O・N」を初めて聴いたときに通じる​アッパー感がある気がします。もうそれだけで傑作間違い無しって​思ったからね。高野さんもツイートしていたけれど、この曲の歌詞​って震災後に聴いた人間にとっては恐ろしいくらい真芯に響くメッ​セージがありました。震災のバタバタからようやく立ち直れつつあ​った4月下旬にリリースされたわけだから、当然震災前に作られたアルバ​ムのはずなのだけれど…“あの日は戻らない(クヤマナイ) 明日はまだ来ない(あせらない) 話をきかせて(泣いたり 笑ったり) 今すぐ 今すぐ あなたに会いたい!” …何気ない言葉のようで妙に胸に刻まれるような言葉だったんだよね​。この曲と「GLOW」はとりわけ何度とリピートして聴きたくな​ります。



 そして『カメレオン・ポップ』はカヴァー曲も話題なんですが、「​君に、胸キュン。」を取り上げるとはね。しかもトッド・ラングレ​ン「I Saw The Light」も演っていて、高野さんのミュージシャン人生を語る​に欠かせないキーパーソンのカヴァーに挑んでいるのはやはり面白​い(そういえばGANGA ZUMBAって高野さんとtatsuさんというトッド・プロデュ​ース門下生が2人いるんだよね。そう考えると凄い)。アレ​ンジ的にはエレクトロニカテイストをほんのり混ぜたまさに今なら​ではのギターポップアレンジ。近年の作風としてアコギは絶対入る​と思っていたけれど、ドライブトーンやワウペダルを織り交ぜた音​作りは個人的に意外でした。サビをクリシェで上昇させていくさり​気ない爽快感がたまらないのであります。今日のライブでも披露さ​れるのでしょうか?

 実は今日、いよいよレコ発ライブなのです! アルバムの音世界をどんな風に再現してくれるのかが観どころですね。COREDO室町内にある本橋三井ホールは観やすいし音も良いのでオススメです。

高野 寛 new album 「Kameleon pop」発売記念ライブ ~HT modern times review~
2011年7月8日(金)18:15 / 19:00 日本橋三井ホール
[メンバー] vocal&guitar 高野 寛、drums 宮川剛(GANGA ZUMBA)、bass 鈴木正人(little creatures)、guitar & chorus 田中拡邦(MAMALAID RAG)、key & mac 山本哲也

 まだチケット買ってないよ~というかた、当日券(全席指定 ¥6,000)も日本橋三井ホール会場では17:15より発売される模様です。当日券の予約とお問合せは03-5436-9700(12:00~16:00)まで!
 だいすきな渡辺美里の歌「10years」。しかも作曲は大江千里ですから、もう僕の青春そのものであります。リリースされたローティーンの頃は憧れとして聴いたテーマですが、今はそのときと違った実感を持ってこの歌を愛し続けています。そしてこの時代のEPICの音楽というのに刷り込まれてきた音楽人生というのを最近特に感じます。



 さて10年前に個人的にエポックメイキングなことがありました。rhythmagicとして自主制作のアルバムを出したんです。これのお膳立てをしてくれたのはいおりんでしたし、当時のリズマジのベーシストである聖一さんでした。

$北村和孝 rhythmagic 楽興のとき

 impact discという架空のレーベル名を言葉遊びで思いついて笑っていたりしたんですが(こういう言葉遊びは意味なくよくやっていました)、まさか本当にアルバムにしてくれるとは思わなかったし、何せそれに見合うような楽器も機材もお金もありませんでしたので…。このレコーディング方法って今思い出すと物凄く恥ずかしいし話したくないんですが(^^;)、不眠不休でいおりんが頑張ってくれました。レコーディングからジャケット制作まですべていおりん。僕は埼京線と川越線と八高線を乗り継いで東福生にプレス納入に行ったりとメッセンジャーみたいなことをやりましたが、実質的な作業のほとんどはいおりんだったんですね。本当によくあんなことできたと思うし、あの頃だったからできたんだと思う。僕らにとってはちょっとした奇蹟だったかもしれません。

 身近なひとは勘付いているでしょうが、ここ5年は仕事で体調壊したり、いろんなトラブルがあったり、音楽以前のことであがきまくっている自分がおりました。音楽雑誌で稼ぎつつ自分の好きな音楽を世に出すお手伝いしたいという欲求のままで生きていたのがちょうど00年代半ばでしたが、それ以後は完全に挫折の一途をたどってきたわけです。楽器やら機材やらはその間もいろいろ購入してきたのですが使う暇がないというジレンマ。プラトーの日々。僕の憧れるプロミュージシャンもセールスが落ちて、メジャー契約がなくなってインディでもなかなかリリースにこぎ着けられなくなり、ライブ動員も減っていきバンド編成ではできず弾き語り主体になり…みたいなものも平行して観ていたこともあってか、僕の愛するポップミュージックのビジネスに可能性が見いだせなくなってきたというヘヴィな現実もあります。そしてこれは書きたくないが、書かないと嘘になる…そう、みんな年齢もとった。家庭ももった。音楽で生活をしていくにはあまりにリスクが大きい。

 さてこの大問題をいかに切り抜けることができたかを本当ならば書きたいところですが、結局のところあがいてもあがいても何も解決しませんでした。時間だけが過ぎていったのです。本業もヘヴィですが実生活もヘヴィ。愛するミュージシャンのライブに行っても、かつてほど盛況じゃなかったりして、“これじゃ僕がイベントやっているのと数字的には変わらないなぁ”なんてことも思ったり。ただ何かをやり続ける美学とその運動力学による見返りっていうのは恐ろしく比例しないし、その現実によりお客さんもスタッフも少しずつ離れていくという姿は本当にツライ。でも現実は見ないといけない。紙媒体が以前ほどの力がなくなった分、ウェブツールは日増しに操作性の容易さを増していきます。ただみんなそこに向かってはいくけれど、必ずしもツールをこなしきれないしそれで状況を打開したというひとも周りにはいない。参考になるのは本業のほうで取材している若手ミュージシャンのやりかただよね。真似できないんだけれど。

 いろいろ書いてきたけれど、結局自分にできて自分に求められていることというのは「語り部」の部分であります。誰もがレビューする今日において音楽評論家とか音楽ライターって職業も死に絶えていきつつありますが、それでも凄い特定のマニアックなことをディグるような文筆業っていうのは求められるところがある。本来はインタビュー主体で行きたいんですが、ここ数年僕がやっていることって圧倒的に楽器原稿ですしね。これからもその傾向は変わらないと思います。インタビューは若いライターさんでもできますし、これだけ活字媒体が淘汰されてくるとミュージシャンのお気に入りの方によるエクスクルーシブテキストだけで賄えてしまう。ミュージシャンにとって書かれたくないことは避けられるという意味でリスクもないしね。ロックジャーナリズムみたいなものは簡単に売上げに屈しますから。

 と書くと絶望的なんですけれど、そもそもポップミュージックのうち僕が愛するようなちょっとマニアックな視点のものというのは数字的にいかほどのものか? 誰もそんな会いたいばかり連発する消費期限が極端に短い薄い流行歌で満足できると思えませんし、一過性じゃない音楽を求めるひとっていうのも限られつつもいるだろうと。でもそのひとたちにアクセスする手段が確立しないし、発信する側はまだまだ独りよがりすぎるのではないかと。理想的な演奏する場所を確立するためにもっと僕らは数字にこだわらなければいけないと思います。例えばぎゅうぎゅうではなくて観やすい余裕のある感じでライブハウスをいっぱいにするくらい…それくらいのところは最低でも狙いたい。リズマジみたいな音楽ではスタンディングより着席のほうがいいと思う。食事もできつつも某ジャズ系ハコのように高価ではなくてリーズナブルで、終演後もそれこそそこで打ち上げまでできて販促できるようなハコでやるべき。…と、これはあくまでリズマジなり僕が関連するバンドのとりあえずの理想型なんですが、昔ほど数もできない分少し長く演奏もしたいし、演る側も観る側のメリットが交差するポイントにこだわるべきだなって思います。で、僕は今その準備をしているわけです。

 話を戻しますが、音楽…それも僕らが演っているのはポップミュージックですから、聴いてもらって好きに受け取ってもらえばいい。それ以上の何ものでもありません。ただ音楽を伝播するときに「語り部」はときにセールストークにもなります。僕はもう一度自分の愛する音楽に大して徹底的なまでに雄弁になりたいなと思っています。意味がなさそうなものを語るのも面白いんですが、僕の愛するポップミュージックってことごとく意味があるのです。ある場合において偶然の産物の部分も多いんですが、ただしその偶然を巻き起こしたバックボーンというのが必ずしもあって、そういうのを含めて語るとより面白さが増すなんてことありますよね。そういうのをこれまで僕らはラジオや活字媒体から学んできた。音楽に興味薄くてもビートルズの何かしらのエピソードって知っていたりするじゃないですか? プロとアマチュアの差っていうのはクォリティも勿論ありますが、圧倒的にエピソード発信の情報量の差っていうのもあります。みんながレビュワーである今日においてそんなところから生まれる奇蹟っていうのも生じていますし、もうちょいそれが生まれていいとも思うし、次世代との架け橋になったりかつて夢中にしていたひとを呼び戻すようなことをやりたい。それはごくごく当たり前なことであります。

 かつていおりんや聖一さんが尽力してくれたrhythmagicの1stアルバムはもう10年前の賜物です。クォリティ的に問題も大有りだったりするんですが、幸いなことに例えばこれからバンドやるとしてもやることは大差ないなと思います(^^;)。勿論もっとクォリティアップしてて然るべきですが、これが原点なんだろうなと。ライブハウスで手売りしていたものでまったく評価されなかったし、評価されるほどのレベルに至っていなかったんでしょうが、矛盾しますが未知なるひとたちにこれを聴かせたいって気持ちも封印したい気持ちと同じくらいありました。でもプロミュージシャンのようなリイシューができる身の上でもクォリティでもありません。…が、そんな10年目にSoundcloudの存在を知りました。リスペクトする松岡英明さんがデモ音源をアップしていたという単純な理由でしたが、使い勝手がよくてほとんど音の劣化を感じずにアップできるところが気に入ったのです。Myspaceは使い勝手が僕にはよくなかったんですね。YouTubeやニコニコ動画もつい先日まで考えていたんですが、何かしらの映像なりビジュアルイメージを用意するところで地団駄を踏んでいました。余計なことはしたくなかったので。Soundcloudはシンプルだし僕にとっては理想的でした。ここにこの10年に録り貯めてきたものをアップします。

http://soundcloud.com/rhythmagic

 rhythmagicの1stアルバムの楽曲も含めてすでに28曲がアップされています。ちょうど2枚組ベストアルバムを選曲したくらいの感覚でやりました。この後ゆったりペースで解説しつつ、曲によっては参加ミュージシャンやスタッフと対談しつつ、また歌詞などもアップしていきます。また楽曲も入れ替えたりします。ウェブツールは要しますが、売買という煩わしさから離れて純粋に楽曲をアピールできるのはとても嬉しいことです。ただ、懐古が僕の目的ではありませんのでちゃんと新しいものも徐々に用意していくのも約束します。これとは別に裏サイト!?として http://soundcloud.com/kazutaka-1 というのもアップしていくのですが、こちらには過去のデモでしたり現在進行形のデモなどをアップしていきます。近日中にこっちにも10数曲をアップしていきますがまずは表の28曲を聴いてくれればこの上ない幸せです。それで気になってくれたらデモも是非という感じです。また、この10年間に僕はいくつかオムニバスアルバムを作ったり、バンドのバックアップということもやってきました。そのほとんどが志半ばで頓挫したのは情けないんですが、ただその中に今でも自信もってお聴かせできる音源もあるので、そういうものもさらにアップするサイト http://soundcloud.com/crawlgirl も作ります。こちらにはかつてのV.A.盤の音源なり僕がソングライティング関わっていないものをあげていきます。

 ミュージシャンの端くれであること以上に、ポップミュージックを愛する人間として「語り部」であることが僕には重要なんだと思います。残り時間は僅かだと思うんですが、もうしばらく音楽のために生きてみたいんですね。10年前のことだけ考えてみても、いろんな人と仲違いしてしまったりして、http://soundcloud.com/rhythmagic にアップしつつも音信不通のひとも正直多いです。いちいち許可をとるのは無理なので無許可でやりました(だから身近ないおりんなり智也くん、Sweep加藤さん、カスミちゃん、香織さん、MEGUちゃん辺りにも何も話していない。彼らは突然やりだしたように思うでしょうね)。彼らがかつての音源を恥じていたら単なる辱めに過ぎない行為なのですが、10年でも癒えない蟠りでもいつか笑い飛ばせる日が来るのかもしれません。こういう僕は相変わらずですね。まずは http://soundcloud.com/rhythmagic お楽しみいただければ幸いです。
「炭酸水」って好き? ブログネタ:「炭酸水」って好き? 参加中


 幼少から炭酸水が大好きだ。毎日飲んでいるのではないだろうか? 特に近年はカロリーゼロの炭酸水が豊富なので嬉しい。ペプシNEX、コカコーラゼロを中心にして、7UPやジンジャーエールのカロリーゼロ系はとにかく愛飲している。正直ない生活は考えられないと思うほど。炭酸は強ければ強い方が良い。ここんところ弱炭酸系に進んでいたところがあったけれど、最近はメッツやペプシのエクストラハードもあったりする。あのパンチのある炭酸は良い。あの感じが良い。良い年齢になってもまだまだ炭酸水はやめられない。アルコール類を一切飲まないこともあり、喉越しの爽快感とかそういうを味わえるのは僕にとって炭酸飲料しかないのだ。

 炭酸水のような爽快感たっぷりの音楽も好きだ。今日御紹介するのは注目のインストバンドKAGEROである。

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 「ROYAL KLOVER CLUB」の冒頭白水 悠がベース弦を叩き付けた爆裂音と鈴木貴之による叩きまくりのドラムソロ…しかし、佐々木“Ruppa”瑠のテナーサキソフォンの音が鳴るとともに、エレガントな菊池智恵子のピアノプレイも加わり空気が一変する…。KAGEROのバンドサウンドは暴力的とも言えるフリージャズ/パンク的なアティチュードとジャズテイストが交錯するアグレッシブなものだ。カヴァーアルバム『SCREEN』を経て完成させられた2ndアルバム『KAGERO II』は、レッドゾーンを振り切りまくる熱いプレイが詰め込まれている。とは言え、何かしらの音楽ジャンルで彼らを囲い込むことはかなり難しい。



 「CHEMICAL ONE」「STRAWBERRY SHAKE」でジャズテイストも垣間見せたかと思えば、「AIR」では菊池智恵子が現代音楽的な超絶ソロを聴かせたり、「BAMBOO 狂』ではブラジル音楽っぽいリズムメイキングを織り交ぜていたり、「WHAT'S YOUR NAME?」「REVOLVER」「THE COLD」はムーディに酔わせたり…。しかしながら最後まで聴かないと曲の全貌がつかめないようなドラマティックなアレンジが施されており、とにかく『KAGERO II』は重厚な聴き応えを擁している。ダーティでデカダンスなムードを漂わせつつ、メンバー4人のバラバラな音楽性を自由に行き来するかのような音世界だ。



 メンバー全員がとにかくポテンシャルの極限でプレイしているあのような熱演ではあるが、中でも聴きこたえたっぷりなのが白水 悠のベースプレイ。フェンダー・ジャズベースをプレイしているようだが、いわゆるベースプレイの枠にもとどまらないし、ジャジーなベースを弾こうなんて気も多分ないんだろう。勿論楽曲によっては滑らかな4ビートのラインも紡いでいくのだが、先述のように弦を叩きつけるわ、ブーストさせるわ、KAGEROのバンドサウンドを何かしらの予定調和には持ってはいかせないストッパー的な役割も担っているかのよう。近年インストバンドが花盛りではあるが、攻撃的な音作りという意味ではKAGEROは相当抜きん出たスタイルを構築しつつある。

 12月8日リリースの『KAGERO II』を引っさげての全国ツアーを展開してきた彼らだが、いよいよ今週末はツアーファイナル! 新宿レッドクロスでのワンマンライブを行なう。生粋のライブバンドによる何が起こるかわからないギグをぜひ体感していただきたい。



KAGEROⅡRelease Tour "CLUB ROYAL KLOVER" FINAL-ONE MAN GIG-
2011年01月22日(土)OPEN 18:30 / START 19:00 新宿紅布
http://www.sputniklab.com/redcloth/

adv 2500yen (1D別¥500)
INFO:H.I.P. / 紅布 03-3202-5320


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KAGERO『KAGERO II』
Ragged Jam Records / 76Records
RAGC-003 2,520円