三陸新報:星を見よう…34
【北斗七星】
北斗七星は名前は有名ですが,実際に見たことがある人は意外に多くありません。
北斗七星は北極星の周りを回って一日沈むことのない周極星のひとつです。
ですから,基本的には,季節・時刻に関係なく,北の空を見れば,太陽の光が邪魔をしない夜であれば北斗七星を見ることができます。
それなのに,意外と見つけにくいです。
それは,北斗七星の位置に関係があります。北極星のすぐ近くであれば,いつでも見つけやすいのですが,北斗七星は,周極星になるかならないかというくらいに北極星から離れています。
そのため,夜空の真上にくることもあれば,地平線ぎりぎりまで低くなることもあります。
星を見る機会の多い夏の夜は,実は北斗七星は北の地平線の近くにあります。
そのため,意外と見つけにくいのです。
ということは,逆に,見つけやすい時期があるということです。
北斗七星を見つけやすいのは,春先です。
3月から4月にかけては,夕方から夜にかけて,東の空から真上に上っていく北斗七星を見ることができます。
北斗七星は,星座ではありません。
おおぐま座という星座の一部になります。
おおぐまのお尻からしっぽにかけての部分が北斗七星になります。
北斗とは北のひしゃく(斗)の7つ星という意味です。
ちなみに,その星座の中で最も明るい星をα(アルファ)星といいます。
2番目がβ(ベータ)星,3番目がγ(ガンマ)星,以下もギリシア文字のアルファベット順になっています。
これによって,星座の中での明るさの順番が分かるのですが,北斗七星だけは,ひしゃくの前の方から順にα,β,γ,δ,ε…となっています。
さらに,もうひとつ北斗七星だけ特別なことがあります。
星は明るさによって1等星,2等星に分けられるのですが,北斗七星だけは,全部2等星扱いです。
ですから,北斗七星の4番目のδ星は3等級ですが,2等星扱いされていました。
ただ,最近は観測技術が発達していることもあって,きちんと3等星と表記する場合が多いようです。
北斗七星で忘れてならないのは,しっぽから2番目の星,ミザールです。
ミザールは星が重なって見える2重星として有名な星です。
すぐとなりに,アルコルという伴星を伴っています。
アルコルは4等級ですから,十分肉眼で見ることのできる明るさです。
昔は兵隊の視力検査に使われていたそうです。