江田島遠い記憶　終戦記念日特集 2　114

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江田島遠い記憶　終戦記念日特集 2

二十年ほど前のことです。

神田の古本屋で "Far the memories" と書いてある

茶色く焼けた袋が目に留まりました。

中を開けてみると、

古い葉書や寄せ書きが入っていました。

そしてはがきには、

江田島のスタンプが押してありました。

江田島海軍兵学校からの葉書のようです。

採用試験は赤い丸のある、

渋谷区原宿の海軍館で行われたようです。

日付は昭和十八年六月二十九日とあります。

（受験年齢は16歳から19歳の年齢制限がありました）

（注意）
一、検査当日は弁当を携帯し、志願者心得所定の写真を持参すべし

二、入浴して身体を浄め耳垢を除き口中を清潔にして出頭すべし

海軍生徒身体検査合格者の心得

鈴木さんはめでたく合格したようです。

躾に関する事項

一、上級生と話をするときは特例なければ不動の姿勢。
　　言葉遣いは、
　　「～です」「おっしゃいました」「いらっしゃいました」等は絶対に不可。
　　「～であります」「言われました」「来られました」を用ふ。

二、芝生の端は絶対にふむべからず。
　　凡そ物の端を踏むがごときは海上武人の「たしなみ」にあらず。
　　よく注意せよ。

海軍兵学校校長　井上成美の名が見えます。

英語が敵の言葉、敵性語ということで国を挙げて英語の使用をやめようとする中、
井上成美校長は、「一体どこの国の海軍に、自国語しか話せないような海軍士官がいるか」、
「外国語のひとつも習得しようという意気のない者は、海軍の方から彼らを必要としない」
と、兵学校の英語教育は従来通り行ったそうです。

井上成美は開戦に反対し、山本五十六とともに日独伊三国軍事同盟条約締結に
強硬に反対した人物としても知られています。

ああ江田島海軍兵学校

兵学校の雰囲気はこちらの動画で……

動画の中で、1号、2号、3号とあるのは、
最上級生を1号、以下2号、3号、4号と称した。

寄せ書き

50通ほどある寄せ書きの中から……