こんにちは,ドクターNです.
今回から,認知症の薬について書いていきます.
アルツハイマー型認知症の脳では,神経伝達物質の一つであるアセチルコリンが減少しており,
認知機能が低下しているという,「コリン仮説」というものがあります.
であるならば,アセチルコリンを増やしてやればいいのではないかということになります.
しかしながら,アセチルコリンそのものを投与しても改善は得られませんでした.
では,アセチルコリンが分解されるのを防いでやればいいのではないかと考えられました.
アセチルコリンを分解する酵素はコリンエステラーゼといいます.
このコリンエステラーゼが働かないようにすることで,アセチルコリンの分解を防ぐ.
この概念で開発されたのが,ドネペジル(商品名:アリセプト)です.
ドネペジルは日本で開発された,世界初のアルツハイマー病治療薬です.