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息子は中学3年生になりました。

半年かけて卒論をしあげなければなりません。

息子の選んだテーマは、水素についてでした。

得意のパソコンを駆使していろいろな事を調べ上げ、

書物で確認し、言葉に置き換えていく作業です。

途中、先生のご指導を何度も受けながら、卒論を完成させました。

私は、今でもこの半年間の学びこそが、真に息子の学力をつけたと考えています。

受験勉強だと、学びが、受験に出る出ないにはっきり線引きされてしまいます。

学びを線引きしないという考えは、息子の根底にあり、

高校生になってからも、試験範囲を聞いてこなかったのは、

勉強を線引きしない息子のポリシーでした。

そのおかげで、定期テストの成績はいつも悪かったです()

 

中学2年生で、一流の歌舞伎に感動した息子は、

高校でさらに演劇の世界にのめりこんでいきます。

テニスの部活から帰ると、撮りためた演劇ビデオを見て、

月に1回は北九州芸術劇場へ足を運んでいました。

演劇好きの高校生ということで息子の名前は

スタッフの間で知れ渡るようになりました。

大好きな野田秀樹さんが、北九州劇場で公演された際に、

夜11時くらいに一人で出待ちをしていた息子。

後から聞いたことですが、スタッフの一人が言います。

「上野君、野田さんを出待ちしてるよ。かわいそうに。」

そこでそのスタッフさんは、息子に言いました。

「野田さんなら、今楽屋でサッカーを見ていらっしゃいます。

君が待っていることを伝えてあげようね。」

とご親切にも、取り次いでくださったのです。

ようやく出てこられた憧れの野田秀樹さんに、

手紙を渡すことができました。

息子はその夜大興奮して眠れませんでした。

それと、中学のとき、YOUTUBEで、10分間、

幻想的な雪の世界で、一人舞い続ける中村勘三郎さんの

演技にハマり、いつか生の舞台を見てみたいと

思うようになっていました。

念願の勘三郎さんの博多公演が決まった8か月前から、

息子は、楽しみで楽しみで、考えただけでもワクワクすると

毎日のように私に言っていました。

が、しかし、直前になって体調不良のため、降板。

代役を勘九郎さんが演じることになりました。

「自分の命を削ってでも父の代役を務めたい。」との

記者会見での言葉は、多くの歌舞伎ファンを震わせました。

息子は、勘九郎さんの歌舞伎を見に行きました。

良かったとは言いましたが、口数は少なめでした。

息子が高3の12月に訃報のニュースが入りました。

私は、その時の思いを朝日新聞の読者欄に投稿しました。

以下、掲載しますね。

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「演劇に関心のある高3の息子は中学のころ、中村勘三郎さんの情報をインターネットで探し出し、何度も何度も見ていました。いつか舞台を生で見たいと、志望大学を東京に定めて勉強に励んでいました。

 私は2年前、コクーン歌舞伎「佐倉義民傳(ぎみんでん)」を見ました。狭い劇場で勘三郎さんが観客の間を縦横無尽に走り回り役を演じます。桟敷席では体育すわりで泥をかぶり、水を浴びながらの観劇。これぞまさに役者と観客が一体となってどこか違う世界へとふっと行ってしまいそうな異空間でした。

私は、その迫力に度肝を抜かれ、開いた口が閉じないまま。そして、息子に見せたいと心底思いました。ほどなく博多座での公演が決まり、息子は8か月も前からワクワクして眠れないと言っていたのですが、残念ながら直前に体調不良で降板されました。

ニューヨーク公演や鹿児島・硫黄島での俊寛など歌舞伎の枠をはるかに超えた生き方を示してくれた勘三郎さん。「遊ぶように演じる、演じながら遊ぶ」という言葉が浮かびます。偉大な役者の生舞台を見られずに終わったことが、息子をよりいっそう演劇芸術へと駆り立てる予感がしています。」

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