睡眠中に意識がないのは、大脳の情報伝達がとだえることによるらしい。
Science 2005年9月30日号


睡眠中、意識は失われているが、脳はおきている時と同様に興奮している。

 

アメリカ、ウィスコンシン大学のマシミニ博士らは以前、意識が脳の活性の程度などよりも、大脳皮質領域間の情報伝達によって決まると提唱した。

 

これを確かめるため、博士らは、被験者に実験を行った。

 

博士らは、覚醒時とノンレム睡眠時にそれぞれ脳の特定部位に電気刺激をあたえ、生じる脳波を測定し、脳のほかの領域に興奮が伝えられるようすを観察した。

 

覚醒時は、刺激後15ミリ秒以内の最初の反応が、刺激を受けた部位で発生し、その後、数センチメートルはなれた関連部位に一連の興奮が伝わった。

一方ノンレム睡眠時は、刺激を受けた部位における最初の反応は覚醒時よりも強く生じたが、すぐに消え、それ以外の部位に興奮が伝わることはなかった。

 

すなわち、睡眠時の意識の消失は、大脳皮質領域間の情報伝達がとだえることと関係している、と博士らは考えている。