魔人・seiさんからのリク後編です。
リク内容兼プロローグは、
seiさんのブログ『「リク魔人」の妄想宝物庫』
前編は、
こちら
中編は、
こちら
をご覧くださいませ(*´∇`*)
では、最終話をどうぞ♪
*******************
届かない手・後編(side R)
久しぶりに出会えた彼女を前にして、自分を押さえることができなかった。
彼女を囲った際に感じた、鼻をくすぐるような甘い香りに誘われ、離すこともできず楽屋へと押し入ってしまった。
抱き締め、彼女の首もとに顔を埋める。
最上さんは驚いたような声をあげた。
「あ、あああの…!つつつ敦賀さん…!?」
「……ごめん。
もう少し、このままで……」
毎日毎日女性たちに囲まれ、大量の食事を摂取させられる。
さらに、最上さんには避けられて。
最近の俺には癒しが足りなかった。
普段と違う様子の俺を見てか、最上さんが背中に腕を回し、まるで子供を宥めるようにポン、ポンと軽く叩く。
なにか温かいものが、こころの芯まで染み渡る。
それはまるで、『最上テラピー』だ。
暫くそうして二人抱き合うようにしていると、突然楽屋の外の廊下が騒がしくなった。
ざわざわと大きな声で雑談を交わす、女性達の声。
『今日は敦賀さんが居なかった』
『今日はお弁当を食べてもらえなかった』
と言ったような内容が聞こえたところを見ると、恐らく最近毎日のように来てくれる女性達なのだろう。
その声は最上さんにも聞こえていたようで、最上さんは手を止めて固まっている。
楽屋に入って、良かった。
最上さんとの二人の時間を、誰にも邪魔されたくない。
「敦賀さん、お昼…お食事されてないのですか?」
「あぁ、まだ…」
今日は昼の休憩時間になってすぐ、社さんと一緒に逃げるように自分の楽屋に戻ったのだ。
それからすぐここにやって来たので、お弁当を持ってくる彼女達とは入れ違いで会わなかったのだろう。
「あの…、よろしければ、ここで食べて行かれませんか?」
「えっ…?」
顔を上げて、最上さんを見る。
「実は、このお弁当敦賀さんの分だったんです。スタジオには既にたくさんの女の子が居たので、てっきり敦賀さんはいつもと同じくその輪の中でお弁当をお食事されていたのかと思って…」
少しはにかんだ表情で説明する最上さん。
話を聞いて、初めて気付いた。
――最上さんも、毎日俺のもとへと来てくれていた?
避けられていたわけではなかったのだ、という安堵の気持ちを感じたと同時に、毎日彼女は俺が別の女性から弁当を受けとる姿を見ていたのかと思うと、申し訳なく思った。
「……最上さん、ありがとう―――…」
***
久しぶりに食べる最上さんの料理は、とても美味しかった。
味付けも濃すぎず、量も多すぎず。
最近食べていた『見た目だけを重視した弁当』でなく、全てに満足のいくものだった。
やはり、俺自身を本当に解ってくれるのは最上さんしかいないのだと、改めて感じる。
そして何より、最上さんと共にする食事がこんなにも俺の活力になるのだということも。
「美味しかったよ、ありがとう。
お弁当をもらいついでに、もう一つ、出来ればもらいたいものがあるんだけど…」
「…え…?何ですか?」
「…」
「…?」
彼女の笑顔を、一番近くでずっと見守っていきたい。
そのためにも。
今夜、彼女に想いを伝えよう。
「…君の今夜の時間と身体―――…」
おわり
*******************
す、すみませんseiさん。
こんなラストでどうでしょうか…?(>_<)
リク内容兼プロローグは、
seiさんのブログ『「リク魔人」の妄想宝物庫』
前編は、
こちら
中編は、
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をご覧くださいませ(*´∇`*)
では、最終話をどうぞ♪
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届かない手・後編(side R)
久しぶりに出会えた彼女を前にして、自分を押さえることができなかった。
彼女を囲った際に感じた、鼻をくすぐるような甘い香りに誘われ、離すこともできず楽屋へと押し入ってしまった。
抱き締め、彼女の首もとに顔を埋める。
最上さんは驚いたような声をあげた。
「あ、あああの…!つつつ敦賀さん…!?」
「……ごめん。
もう少し、このままで……」
毎日毎日女性たちに囲まれ、大量の食事を摂取させられる。
さらに、最上さんには避けられて。
最近の俺には癒しが足りなかった。
普段と違う様子の俺を見てか、最上さんが背中に腕を回し、まるで子供を宥めるようにポン、ポンと軽く叩く。
なにか温かいものが、こころの芯まで染み渡る。
それはまるで、『最上テラピー』だ。
暫くそうして二人抱き合うようにしていると、突然楽屋の外の廊下が騒がしくなった。
ざわざわと大きな声で雑談を交わす、女性達の声。
『今日は敦賀さんが居なかった』
『今日はお弁当を食べてもらえなかった』
と言ったような内容が聞こえたところを見ると、恐らく最近毎日のように来てくれる女性達なのだろう。
その声は最上さんにも聞こえていたようで、最上さんは手を止めて固まっている。
楽屋に入って、良かった。
最上さんとの二人の時間を、誰にも邪魔されたくない。
「敦賀さん、お昼…お食事されてないのですか?」
「あぁ、まだ…」
今日は昼の休憩時間になってすぐ、社さんと一緒に逃げるように自分の楽屋に戻ったのだ。
それからすぐここにやって来たので、お弁当を持ってくる彼女達とは入れ違いで会わなかったのだろう。
「あの…、よろしければ、ここで食べて行かれませんか?」
「えっ…?」
顔を上げて、最上さんを見る。
「実は、このお弁当敦賀さんの分だったんです。スタジオには既にたくさんの女の子が居たので、てっきり敦賀さんはいつもと同じくその輪の中でお弁当をお食事されていたのかと思って…」
少しはにかんだ表情で説明する最上さん。
話を聞いて、初めて気付いた。
――最上さんも、毎日俺のもとへと来てくれていた?
避けられていたわけではなかったのだ、という安堵の気持ちを感じたと同時に、毎日彼女は俺が別の女性から弁当を受けとる姿を見ていたのかと思うと、申し訳なく思った。
「……最上さん、ありがとう―――…」
***
久しぶりに食べる最上さんの料理は、とても美味しかった。
味付けも濃すぎず、量も多すぎず。
最近食べていた『見た目だけを重視した弁当』でなく、全てに満足のいくものだった。
やはり、俺自身を本当に解ってくれるのは最上さんしかいないのだと、改めて感じる。
そして何より、最上さんと共にする食事がこんなにも俺の活力になるのだということも。
「美味しかったよ、ありがとう。
お弁当をもらいついでに、もう一つ、出来ればもらいたいものがあるんだけど…」
「…え…?何ですか?」
「…」
「…?」
彼女の笑顔を、一番近くでずっと見守っていきたい。
そのためにも。
今夜、彼女に想いを伝えよう。
「…君の今夜の時間と身体―――…」
おわり
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す、すみませんseiさん。
こんなラストでどうでしょうか…?(>_<)