4月1日、エイプリルフール。

今日はみんなにたくさんの嘘をつかれ、その一つ一つを本気で信じてしまったから、夜になる頃にはすっかり疲れ果ててしまっていた。

ラブミー部の部室では、急に天宮さんが『モー子さんが大変!すぐに助けに行きましょう!』と飛び込んできたので、私も慌てて部室から飛び出そうとドアを開けたら、目の前に普通にモー子さんが立っていたり。

マリアちゃんが泣きながら『おじいさまをとめて!!』と言っていたので、急いで社長室に行ってみると、ただ単に社長が私に用があるだけだったり。

しかも、その“用”というのも、私を騙すために呼んだだけのものだったり…。


そんなこんなで一日中周りに振り回された私は、だるまやに帰った頃にはすっかり人間不振に陥っていた。


「やっと、もうすぐエイプリルフールが終わる……。

残りの時間は、もう絶対騙されないんだから!!」


今日の残り時間もあと少し。
そうだ、さっさと寝る準備をして、寝てしまおう。


布団も準備して、いざ就寝、というその時。
携帯電話の着信が鳴った。


「………敦賀、さん?」


画面を見ると、そこには敦賀さんの名前。

どうしたのかしら。

「もしもし、敦賀さん…?」

「最上さん?今、電話良いかな…?」

「はい。どうしたんですか?こんな時間に…」

「いや、ちょっと…。
最上さん、今日誰かに告白されなかった?」

「………えぇと、告白というか……」


今日は、ブリッジロックの光さんに『可愛いね』と言われたことならあった。
でも、もちろんエイプリルフール。
もうすでにいろんな人に騙されたあとだったため、疲れていて光さんのその言葉には特に反応もしなかったのだけど…。


「やっぱり、されたんだね。
その噂を聞いてから、いてもたってもいられず、こんな時間になってしまったけれど電話をしてみたんだ。

最上さん、俺は君を誰にも奪われたくない」


私はすぐにピンときた。
この時間になっても、まだ戦いは終わってないのだと。

「敦賀さんまで、私を騙すんですか!?
ひどいです!」

私はムキになって怒ってしまった。

けれど。

「……最上さん、時計を見てくれる?」

「時計を?……あ……」

「もう、4月2日だよ?


―――最上さん、俺と付き合って下さい」


敦賀さんからの、突然の告白。

これは、嘘じゃないよね?

「返事、聞かせてくれる?」


返事なんて…、最初から決まってる。

この告白が、嘘でも本当でも。


「敦賀、さん、


私も―――――」








おわり
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やっぱり寝落ちしてしまいました…(^^;
話的に夜中にupしたかった~。