※ 蓮キョ成立後のお話です。

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―――独りぼっちには慣れてるから。


だから今日も、特別なことなんて、何もない―――。

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三年前から毎年開催されている、グレイトフル・パーティー。
マリアちゃんが自分の誕生日を好きになってくれたら…と始めたこのパーティーで、パパとの仲も深まってくれたのが、本当に嬉しかった。

今年は、『私からパパに会いに行くの!!』と笑顔でアメリカに飛び立ってしまった。


『お姉さまも、今年は蓮様とお付き合いして初めてのクリスマスですもの、二人きりで過ごされるのでしょう?』


マリアちゃんの言う通り。
通常のカップルであれば、それが当たり前。
私も、『クリスマスイブは早く帰るから、二人で過ごしたい』とは言われている。
でも、私の相手は殺人的スケジュールを日々こなしている敦賀さん。
勿論クリスマスであっても、それは変わらない。
それを知っての上でお付き合いすることになったんだもの、軽々しく「会いたい」なんて口にしちゃいけないのも、解ってる。


……それが、たとえ私の誕生日であっても。





12月24日、誕生日前日―。
私は敦賀さんの自宅にお邪魔した。
合鍵を頂いてはいたけれど、事前の許可なく入るのはこれが初めてだった。
おそらく敦賀さんは、遅くに疲れて帰ってくるだろう。
キッチンを借りて、軽く食べられそうなものを作る。
そして。

小さなクリスマスケーキも。

甘いものはあまり好きではないだろうけど、今日だけは一緒に食べてもらいたい。

子供の頃の、義務的に祝われていたショータローの家での記憶を、敦賀さんとの思い出に塗り替えたいから……。





夜も更けて部屋の中は真っ暗になったけれど、それでも電気もテレビもつけなかった。

灯りも笑い声も、いらない。

私が今欲しいのは、敦賀さんの温もりだけ。


手探りで、ベッドルームに向かう。
――ここなら、敦賀さんの温もりを感じられる。

敦賀さんのベッドに潜り込む。
そこは敦賀さんの香りがして、抱き締められたような、包み込まれた感覚に陥るけど…。

一人では広すぎるその場所。
ベッドの中で丸まっていると、何故か涙が溢れてくる。


―――独りでいることには慣れているはずなのに―――



「………う………ひっ……く………」



誰にも聞かれないその場所で、私は声をおし殺して泣いていた―――。






続く
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クリスマスネタ、書いてみたら文才無さすぎて前後編になりましたwww

甘い香り完結の前に投下。
無駄に引っ張ってスミマセンΣ(ノд<)


さて、久しぶりに検索ワードを見てみたら、「とりとめのない話 苦手」で検索されてました…。
なんでしょう、私の弱点を探していたのでしょうか?www

笑いましたwwwありがとうございます(^^;

ちなみに苦手なものは、えっと、虫とか?
食べ物ならおでんとかです。
苦手なものたくさんありますよー。