この人は、誰?


敦賀さんの声で。
敦賀さんの顔立ちで。
敦賀さんの体型で。




私が固まっていると、彼は少し困ったような表情をした。


「…最上さんが鍵を開けるなら、俺もきちんと向き合わなきゃ、ね。


………これが俺の、本当の姿だよ。


   "キョーコちゃん"」




"キョーコちゃん"



そう呼ぶ金髪碧眼の人を、私は、一人しか知らない。



記憶が、甦る。

あの頃の大切な思い出。





「……コーン……?」




私は思わず、敦賀さんが詳しく知るはずがない、"彼"の名前を発する。



「…そうだよ。

最上さんのおかげで、本当の自分と向き合う決心がついた」




彼はポケットから鍵を取り出すと、私の手元にあったジュエリーケースの鍵を開ける。




「あの石を君が大切に持っていてくれたから…


また、君に巡り会えたのかも…」




ケースの中には、コーン(石)と同じ、アイオライトが飾られたリングが輝いていた。

彼はそっとリングを取りだし、チュ…とそれに口付けた。

いつか見た光景。

それは私が敦賀さんの魔法にかかった瞬間。



本当に、敦賀さんが…コーン………!?



「この姿でいるのは、まだ少し恐いけど…


最上さんが隣に居てくれるなら、頑張れると思うんだ。

君があの石をお守りとするように、俺にもお守りが必要だから……


最上さん、俺に君を頂戴?」



私の左手の薬指にリングをはめて、穏やかな笑顔でそう言った。







続く
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ペタ返できず、すみません!(>_<)


本誌既に出回ってるようですね。
今回はかなり萌えるらしい…。
私も読みたい!

北海道は明後日かなぁー(;つД`)